盤石の進化と熟成で王者の座は譲らない!
2002年の登場以来、ポルシェの屋台骨となっているカイエンのセールスはいまだに衰えを知らず、昨年の販売台数は9万5,604台と、依然として同社トップセラーの座に君臨している。その3世代目がいよいよフェイスリフトを間近に控え、世界各地で最終の走行テストを実施。
今回、筆者はアメリカ西海岸におけるそのテストに同行する機会に恵まれた。テスト当日、大胆にもロサンゼルスの公道へ現れたカイエン・プロトタイプは、艶消しのブラックでカムフラージュされていたが、フェイスリフトゆえにボディの基本骨格に大きな変化は見られない。
よく観察すると、ヘッドライトユニットとフロントスカートの形状が見直されているのがわかる程度だ。一方、リアエンドの変化は明確で、従来はリアゲート中央に位置していたナンバープレートがバンパー中央に移設。その結果、リアゲートまわりがすっきりとしたほか、リアスカートやディフューザーのデザインも一新されている。
【写真5枚】依然として同社トップセラーの座に君臨するポルシェ・カイエン プロトタイプ。
最大のトピックはパワーユニットの一部変更で、ベーシックなカイエンが採用する3L V6ターボは、最高出力349ps、最大トルク500Nmにパワーアップ。カイエンSには、従来の2.9L V6ツインターボに代わり4L V8ツインターボが搭載される。
同時に、同エンジンを積むトップモデルのカイエン・ターボGTは、最大トルクこそ850Nmのままだが、最高出力を640psから660psへと強化。ただし、この高性能版は、排ガス規制が厳しい欧州では販売されない可能性がある。つまり、モアパワーを望むカスタマーは、将来的にPHEVを選択せざるを得ないことになる。
コクピットまわりも、ほぼすべてが黒いフェルトでカバーされており、運転に必要なメーターのみがわずかに視認できる程度。ただし、後日入手した情報によると、今回を機にタイカンと同じ16.8インチのワイドディスプレイをダッシュセンターに搭載。助手席にも12.3インチの専用モニターが用意されるようだ。
また、従来のATセレクターは、911シリーズと同じようなトグルスイッチ式に代わるという。シャシー関連でのトピックは、新たに2チャンバー式となったエアサスが、新開発となるタイヤとともに一層快適な乗り心地を提供していたことだ。
新型カイエンは4月にワールドプレミア、同時にドイツはじめ欧州で受注がスタートする予定だ。
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