ボクらのヤングタイマー列伝:第11回『トヨタ・セリカ』ゲレンデを駆け抜けた映画が印象的! “流面型”デザインのST165セリカ

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遠藤イヅルが自身のイラストともに1980年代以降の趣味車、いわゆる”ヤングタイマー”なクルマを振り返るという、かつて小社WEBサイトでひっそり!? 連載していた伝説の連載、その進化版がこの『ボクらのヤングタイマー列伝』です。第11回は4代目トヨタ・セリカが登場! え? この連載っぽくないですって!?確かにいつもよりは王道ですが、メインイラストのキャプに、”らしさ”を籠めてありますヨ!

ボクらのヤングタイマー列伝第10回『フォルクスワーゲン・ヴァナゴン』の記事はコチラから

やはりこの代のGT-FOURといえば、1987年の映画、『私をスキーに連れてって』!

なぜ今ボクたち40歳代、50歳代が”ヤングタイマー”を懐かしく思うのかふと考えたとき、それらのクルマが登場した時代も懐かしく感じているからだと気がつきました。1980〜1990年代前半の”イケイケ”だったあの時代に対する、”憧れ”もあるかもしれません。今考えると製品化されるのがおかしい車種や、目的に対する解決方法が確立されていないゆえの珍装備も数多くありました。現在サイドミラーの水滴は主にヒーターで対応していますが、バブル期はドアミラーやAピラーの付け根からワイパーを生やしたりしていましたし、CDチェンジャーならぬカセットチェンジャーなんてものもありましたよね。最近は実用性の高いエコカーやSUV、背が高いクルマ以外は売れない傾向が明確にあるようですが、当時は絶対に売れる車種がはっきりしていないので、ありとあらゆるモデルが出尽くした感があります。

と、前振りが長くなりましたが、今日のお題は4代目トヨタ・セリカです。少しだけ解説をしますと、硬派なFRクーペだった先代の設計を刷新し、4代目はFFで横置きエンジンを搭載したコロナ・クーペとカリーナEDの兄弟車になりました。デザインも大きく変わり、真四角だった姿から”流面型”というキャッチコピーどおりの滑らかなスタイルにチェンジ。後に追加された『GT-FOUR』は、アウディ・クワトロ的なスポーツ走行をするためのハイパワー4WD車として注目を集め、WRCでも大活躍。1990年にはカルロス・サインツが日本車初のドライバーズタイトルを獲得しました。

でも、やはりこの代のGT-FOURといえば、1987年の映画、『私をスキーに連れてって』を思い出します。セリカは白銀の世界を縦横無尽に駆け抜け、登場人物以上の存在感を誇ったのです。当時4WDの乗用車はスバルがラインナップしていましたが、まだまだ4WDはRVという時代。男臭い乗り物でもありました。それが、ヒロコ(高橋ひとみ)と真理子(原田貴和子)というキレイな女性がさらっと(でもかなり派手に)乗りこなす。雪上を、雪原を、道なき道を行くその姿は強烈に人々のハートを射抜いたのでした。トレンディドラマの先駆でもあるこの映画の登場人物たちは、悪人じゃないけど、明るく、適当で、軽かった。セリカも無茶をしすぎて横転、スキーでは滑走禁止の場所も滑っちゃう。映画もTVもあの頃は勢いがあって、楽しければ何でもありだったのです。何となく閉塞感があって何かとNGが出がちな現在と比べて、なんと大らかなことでしょう。その時代感がクルマ作りにも出ているのだとすれば、ヤングタイマーカーへの憧れは、それらが生まれた自由な時代への憧れと同じことなんですね。

ああ、困った。セリカGT-FOUR、どこかに売ってないかなあ。APPIなどのスキー場のステッカー貼って、雪の中を颯爽と走りたいです。あ、ドアを開けて地面を触り、「凍ってるね」と言うのを忘れないようにしないと(笑)。

カー・マガジン466号より転載

この記事を書いた人

遠藤イヅル

1971年生まれ。東京都在住。小さい頃からカーデザイナーに憧れ、文系大学を卒業するもカーデザイン専門学校に再入学。自動車メーカー系レース部門の会社でカーデザイナー/モデラーとして勤務。その後数社でデザイナー/ディレクターとして働き、独立してイラストレーター/ライターとなった。現在自動車雑誌、男性誌などで多数連載を持つ。イラストは基本的にアナログで、デザイナー時代に愛用したコピックマーカーを用いる。自動車全般に膨大な知識を持つが、中でも大衆車、実用車、商用車を好み、フランス車には特に詳しい。

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