ガレージはあと3軒、うち1軒はなんとプライベートアイランドという、超ド級のガレージライフ。
世界第4位の人口を誇り、経済発展が著しいインドネシア。ここで、ものすごいクルマとガレージを所有するオーナーがいるということで、飛行機で7時間かけて取材に伺うことにした。取材地はインドネシアの首都ジャカルタからクルマで約3時間のバンドゥー市、ジャワ島では第2位となる人口の地域である。
大きな屋敷が建ち並ぶバンドゥー市の高級住宅街。小高い場所にクルマが入っていくと近代的な建物が現れる。ガレージに着いたのは夜の9時過ぎだったが、オーナーのY氏はスタッフを快く迎え入れ、早速ガレージを案内してくれた。
300坪のガレージは、ほんの一部に過ぎない……!
この建物は2011年に竣工したもので、Y氏の友人である建築家であるTAN TIK LAM氏が設計したという。プランには3年をかけたとのこと。敷地面積は300坪。RC造で地上と地下にガレージがあり、取材時にはクルマ20台が納められていた。聞くところによると彼のガレージはあと3か所あり、クルマは全70台所有。そのなかでも選りすぐりの名車がこの邸宅に収まっている。クルマは日本、ドイツ、アメリカから輸入され、同時に住宅に関する部材や家具も輸入しているそうだ。
Y氏のメインビジネスは貿易関連。世界各地を訪れて、選りすぐりのものを見ているのだ。ガレージに関しては『GarageLife』の日本語版を購入しており、写真を見ながら細部を研究しているという。「限られた土地の中で工夫しているところが参考になります」とのこと。まぁ300坪と比べたらねぇ……。
世界的に有名なRWBのポルシェが4台
Y邸は外と中の建物が融合した絶妙なバランスで構成されており、リビングの大きな窓からガレージに収まる5台のポルシェが見渡せる。取材時、世界的に有名な日本のポルシェチューナー「RWB」でモディファイされたポルシェが、ずらりと収納されていた。その1978年式ポルシェ・タルガ、1989年式964、1995年式993、2009年式 GT3 RSのすべてがRWBの手が入り、356プリAも同じ場所に収まっている。GT3の下には特注でオーダーしたリフトがあり、地下のガレージとアクセスできるように設計。階段を下りていくとRC のシンプルなガレージには、世界でも有数のコレクターズモデルが収納されていた。
地下は貴重なVWのミュージアム
地下のコレクションはすべてが空冷VWで、しかも世界的にも希少なモデルばかり。まるでVWの博物館のようだ。日本円で1000 万円を超えるスプリットウィンドウモデルが3台、795台しか生産されなかったヘッブミューラーなど、どのクルマもレストアを終え、ファクトリーから出てきたようなコンディションである。
床面はコーティングされ、オイルの染み込みを防止。ホコリひとつないクリーンなガレージが印象的であった。目を見張るのは、天井に設けられた自然光を採り入れる天窓、そして外の空気を入れ替える大きなドアの存在だ。ガレージ内はオイルやガソリンの臭いが一切しない状態をキープ。リフトはスイッチ1つで上下し、クルマの出し入れが容易にできるようになっている。
このガレージのほかにも、500mほど離れた邸宅を購入し、ガレージに改築。さらに500mほど離れた場所にクルマをレストアするためのガレージを所有し、これから作業をするためのクルマたちが並べられているそうだ。また自身が所有する島にもクルマを保管しているそうで、そのクルマの多くは空冷VWとポルシェだという。将来は日本にもガレージを所有したいというYさん。ポルシェのコレクションはまだまだ続きそうだ。
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