創立30周年を祝った特別カラー
ディアブロは、1990年代のランボルギーニを支えたモデルである。1970~1980年代を通して、スーパーカーと言えばランボルギーニ・カウンタックであったが、同じくディアブロもボディデザインをマルチェロ・ガンディーニが担当した。当時のランボルギーニの親会社はクライスラーであったが、そちらからの手直し要求はかなり執拗なものがあったらしく、ガンディーニのオリジナルデザインとはだいぶ異なるものに仕上がったようだ。彼は自分の名前を出すことに大変な抵抗を示したという逸話も残されている。そのボディには、カウンタックの特徴であったシザードアと、空気抵抗を意識した低く平たい形状が受け継がれているが、エクステリアばかりでなく、V型12気筒エンジンを前後逆方向に縦置きミドシップするといったレイアウト面の特徴も、カウンタックを踏襲したものだ。エンジンは5.7L V12 DOHC(最高出力492ps)を搭載、これによって最高速325km/hを実現。この最高速度についてもクライスラーの要求が強く、最高速度315km/h超えが目標とされたという。
4WDモデルのVTやロードスター、SVなどとバリエーションを展開しつつ、ディアブロは後継車・ムルシエラゴが登場するまでの約10年間、2001年まで生産された。この10年間の途中、1998年に、ランボルギーニはアウディの傘下へと収まっている。その翌年1999年には世界限定80台で「GT」――ディアブロ中最もスパルタンなモデル――をリリース。このGTが搭載した6Lエンジンは、翌2000年には「ディアブロ6.0」の名で通常モデルにも搭載されるようになった。
そんなディアブロはプラモデルでも人気で、わが国のフジミやアオシマの他、ドイツレベルやレベル・モノグラム、イタレリ、AMT、ESCIなど、いくつかのスケールで色々なバージョンのキットが発売されている。ここでお見せしている作例は、フジミ1/24スケールのキットを美しく仕上げたものだ。ボディカラーは限定モデルであるSE30の専用色であるパープルメタリックを再現している。
SE30とは、ランボルギーニの設立30周年を記念して1993年に発売されたモデルだ。6L登場以前ということもあり、エンジンは通常と同じ5.7Lだが、細かなチューニングにより530hpへと出力をアップ。駆動方式は後輪駆動、ボディにもカーボンが多用されて大幅な軽量化を実現している。このパープルはSE30の専用色であるから本来は素のディアブロに塗るべきカラーではないのだが、実車でもこの色は人気で、SE30でなくてもこの色に塗り替えられているケースはあるため、あまり難しく考えずにペイントしてみた。
ビス止め多用の組み易さ重視キット
ドアは可動式だが、隙間が目立つためボディに接着、隙間はシアノンで埋めた。ウィングは確実に取り付けるため0.45mm真鍮線を埋め込む。シャシー周りはまずインテリアとエンジン部をビス止め、足周りもビスで組む。ボディにインテリア/エンジンルームを取り付け、シャシーと合体。シャシーはフロント部はボディに引っかけ、エンジン部のみビス止めする仕組み。そのままではフロントがやや持ち上がるので、フロント部の穴を利用してこちらもビス止めにした。キットのままでトレッドや車高は問題ないようだ。
ボディはサーフェイサーを塗った後、ホワイトで下塗り。SE30専用色のパープルメタリックの調色には、藤倉応用化工のアクセルSを使用。基本はバイオレットとギルディングシルバー、このシルバーはメッキ調のギラギラしたものだ。更にマゼンタを加えて赤みを出し、フィニッシャーズのシルバーパールリキッドを加えた。これをホワイトの上に塗っても色ムラがなかなか消せないので、ボディカラーに近いソリッドのパープルを調色、下塗り。3枚目の写真右がそれで、アクセルのバイオレットにホワイトを混ぜたものだ。
上塗りのメタリックパープルを塗装しクリアーコート、仕上げにコンパウンドで磨く。組み立てにあたっては、エンジンフードがスムーズに開閉しないので内装部分の一部を削って調整した。フード側のヒンジも削ってひとまわり細くする。
エンジンのヘッドカバーは、本物のSE30ではゴールド仕上げとなる。リアウィングはキットではVTを作る場合にのみ取り付ける指定となっているが、作例では好みで装着した。サイドウィンカーはボディに一体のモールドで表現されているので、トロンの部品を使用してディテールアップしている。
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