アウディがCO2ゼロを強化

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現時点で70~75%の排出量削減を実現。VWグループでの脱炭素をリード

グリーンNCAPではA4の天然ガス仕様g-tronがやや厳しい結果を突きつけられてしまったアウディだが、一方の電動化にともなう車両ライフサイクル全体のCO2削減においては他のメーカーをリードしている。ガソリン車やディーゼル車では、ライフサイクルにおけるCO2 排出はその多くが使用過程で生じるが、電気自動車(EV)では使用過程の排出はほぼゼロとなる半面、生産段階における排出が無視できない状況になるとアウディは指摘。そうした次世代車におけるCO2 排出を、2025年までにライフサイクル全体で30%削減する目標を設定している。

ハンガリー北西部にあるジュール工場は地熱エネルギーの活用などにより、CO2の削減を試みている。

自動車ライフサイクルのCO2 排出で多くを占めるのが生産段階によるものだが、アウディではすでにベルギーのブリュッセル工場はCO2ニュートラルと認定されており、ハンガリーのジュール工場も地熱エネルギーの活用などにより、ブリュッセルに続いてCO2ニュートラルを達成している。
残るは生産台数の多いドイツのインゴルシュタット工場、ネッカーズルム工場、メキシコのサンホセチアパス工場となるが、ここにきて70~75%のCO2削減を実現しており、2025年までの全生産工場におけるCO2ニュートラルという目標も達成間近。あわせてドイツの2工場では、搬出港であるエムデン港までの輸送に「グリーントレイン」と呼ぶ鉄道を2010年から使用しており、輸送時のCO2 削減も進めている。また、サプライヤーの協力により、アルミニウム、スチール、バッテリーといった大量のエネルギーを必要とする分野でのCO2削減も積極的に進めているという。
フォルクスワーゲングループ(VW)においてアウディは、プレミアムブランドであると同時に、環境対策にも積極的に取り組んできた。ここにきてVWブランドがモータースポーツから撤退することが発表されたが、アウディはEVマシンによるダカールラリーへの参戦を宣言し、国際耐久レースへの参戦する意向も示している。生産過程や使用過程だけでなく、モータースポーツの世界でもCO2ニュートラルを目指し、次世代の方向性を示すアウディの姿勢に共感するとともに、応援していきたい。

ルボラン2021年2月号より転載

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田畑修
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