年末までに100万回の検査に対応できる量の提供へ
ボッシュの子会社であるボッシュ・ヘルスケア・ソリューションズGmbHはこのほど、新型コロナウイルス感染症の原因ウイルス(SARS-CoV-2)の検出を目的とした、新しい迅速検査システムを開発したと発表した。同社によれば、この検査システムによって、わずか39分で高い信頼度を持った検査結果を得ることができるという。
同社は今年3月、わずか6週間の開発期間で最初の迅速検査システムを世に送り出した。この検査システムはマルチプレックス検査として、SARS-CoV-2ウイルスとその他の9種類の呼吸器病原体を2時間半で同時診断するものだった。これに対して今回開発したのは、SARS-CoV-2のみを対象としたもの。信頼できる検査結果を出すまでの所要時間がわずか39分と、世界的に見て現時点で最も短い時間で判定を行なう、PCR(ポリメラーゼ連鎖反応)検査だ。
ボッシュの迅速検査のメリットは、スピーディな分析だけでなく使いやすさにもある。患者の鼻または喉から綿棒で検体を採取し、検査カートリッジに入れる。次に、検査に必要なすべての試薬が含まれている検査カートリッジを自動分析用のVivalytic装置に挿入。Vivalytic分析装置は非常に使いやすい設計で、医療スタッフは装置の操作方法に関する簡単なトレーニングを受けるだけで使用することができる。Vivalyticシステムは、分析装置と検査カートリッジで構成されており、ボッシュの企業研究開発・先端エンジニアリングとボッシュ・ヘルスケア・ソリューションズの長年にわたる協働から実現したものだ。
同社では年末までに100万回の検査に対応できる量を提供したいと考えている。分析装置と迅速検査に対する需要は依然として高く、ボッシュはサプライヤーと緊密に協力して生産量を最大限まで高め、さらなる供給拡大を目指していく。
さらにボッシュはそれでもなお開発の手を緩めておらず、2020年10月上旬以降、世界で初めてひとつの検査カートリッジで5人分の検体を迅速に同時診断できるようにする計画を発表。これにより1日に160以上の検体を完全自動検査できるようになる。さらに、今後数週間のうちにソフトウェアの最適化により、SARS-CoV-2検査での陽性判明にかかる時間をさらに短縮する見通しだ。
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