分割2画面表示が可能な10.25インチのTFTクラスターがBMWの二輪モデルに初めて搭載される予定
ボッシュはこのほど、世界初となる二輪車向けの分割2画面表示型フルデジタルクラスターの量産を開始したと発表した。
車両情報とスマートフォンアプリのコンテンツを両方とも同時に表示でき、自由にプログラミングが可能な分割2画面表示は、かつては一部の高級四輪車にしか搭載されていなかった。このほどボッシュが開発した「インテグレーテッド・コネクティビティ・クラスター」により、この便利な機能を二輪車でも10.25インチTFTクラスターとして搭載できるようになった。
この新しい10.25インチTFTクラスターは今年、BMWの二輪モデルに初めて搭載される予定。ライダーは、この新たなクラスターのディスプレイ画面により、走行中でも注意を妨げられることなく、すべての関連情報をひと目で確認することが可能となる。ライダーはディスプレイ画面上で確認したい情報を自身で選択でき、また表示されたすべての機能はハンドルバーのコントローラーで操作することができる。スマートフォンアプリなどのコンテンツは、自動的に二輪車のディスプレイ画面に最適化された形で表示。分割画面には、速度や警告表示といった主要なインジケーターも従来どおり表示される。
ボッシュの調査によると、90%近くのライダーがツーリングの計画時やルート確認の際にスマートフォンを利用している。そのうち約3分の1のライダーが、走行中にスマートフォンを使用したことで大きな身の危険に晒された経験があると回答。このような問題へのソリューションとして、ボッシュはスマートフォンのコンテンツをより安全で快適に使用するためのプラットフォームである「mySPIN」を開発した。
「mySPIN」は、いわゆる四輪バギーと呼ばれる全地形対応車や水上バイクなどを含むパワースポーツ車両セグメントとしては、2018年モデルのBRP製の車両ですでに提供されているが、今年初めて二輪車セグメントに導入されることが決定している。ドゥカティは、ボッシュの新しい6.5インチの「インテグレーテッド・コネクティビティ・クラスター(分割二画面表示は非対応)」とともに「mySPIN」を採用する予定だ。
「二輪車のライダーは、走行中でも車両から容易にスマートフォンアプリのコンテンツを利用したいと考えています。このたび、ボッシュのmySPINとインテグレーテッド・コネクティビティ・クラスターを採用することで、私たちはライダーが求める環境を提供できると考えています」と、ドゥカティの研究開発部門ディレクターのヴィンセンツォ・デ・シルヴィオ氏は述べている。また2021年より、カワサキも同様のソリューションが搭載された二輪車モデルを量産する予定だ。
「mySPIN」により、二輪車向けに特化したアプリを通じてライダーは幅広いサービスを利用することができる。たとえば、REVERというアプリではエキサイティングだったツーリングの旅程を記録し、気が合うライダーコミュニティ内で共有することが可能だ。また、Genius MapsやSygicといったアプリを使用することにより、近くのホテルやレストランまでのルートを調べることもできる。さらに、Dash Radio1というアプリにより無料のラジオ番組を視聴することも可能になる。