なんとヘッドアップディスプレイにはAR機能を採用
メルセデス・ベンツは今秋、新世代のSクラス(W223)を発表する。1972年に公式にSクラスと名付けられて以降、世代交代に際しては必ず最先端の技術が搭載されてきたが、今回の7代目ではインフォテイメントの分野で大幅な進化を遂げている。
今回、事前のワークショップでコクピットに入ると、もはやそこはSFの世界。ドライバー正面の12.8インチモニターにはカメラが内蔵されており、シートに腰を下ろすと同時に、最多で7名の事前登録した人物を特定し、その人のプロファイル、たとえばシート&ドアミラー調整、エアコン温度、ナビゲーション目的地の履歴、好みの音楽(選局)などを即座に用意する。また、車両からのデジタルペイメントを利用する際、セキュリティのためにOLEDモニターで指紋判定も行なえる。ちなみに、これらのシステムを作動させるには、コンベンショナルな暗証番号入力も利用可能だ。
この2世代目のMBUX(メルセデス・ベンツ・ユーザ・エクスペリエンス)は、1台の車両に5台のビッグスクリーンを搭載することが可能。すなわち、後席スペースには最大で3台のモニターを並べられ、すべてのパッセンジャーが移動オフィスとしてインターネットワークを行うことができる。音声コントロールは4人まで可能なので、車内はちょっとうるさくなるかも知れない。
また、ドライバー正面のモニターには3D機能が搭載されており、もちろん専用の眼鏡を使うことなく実像のように奥行きの深い画面から情報を得ることができる。さらに、オプションで2種類のヘッドアップディスプレイが用意されるが、上級バージョンにはなんとAR機能を採用。たとえば左折の場合には、実際の道路上に矢印が照射されているような画像となる。
最後に、「ヘイ・メルセデス!」で起動する音声入力システムもアップデート。 「ヘイ、メルセデス、クラシック音楽を聞かせて。それから空港まで行って!」とふたつの指令を理解するまでに進化。学習能力も備わり、利用者がたとえ母国語を使わなくても理解してくれるようになったのは朗報といえる。車両の機能に関しても、たとえば「ディストロニックってどんな機能?」という質問に対して、27カ国語で回答することができるようになっている。
『ナイトライダー』が、現実のものになる時代がやってきたのだ。
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