本国ドイツではピュアEVの「e-up!」やPHEVの「パサートGTE」が電動化モデルの需要を牽引
3月30日、フォルクスワーゲンはドイツ市場における電動モビリティの需要が着実に高まっていることをアピールした。その牽引役を担っているのが「e-up!」や「パサートGTE」だ。
多くのカーブランドと同様に、フォルクスワーゲンもクルマの電動化に積極的だ。日本でもピュアEVの「e-ゴルフ」やプラグインハイブリッドの「ゴルフGTE」といった、電動化技術を導入したモデルがラインアップされていることはご存知のとおり。本国ドイツでは、さらにそれが加速しているというわけだ。
ドイツでは新世代コンパクトEV「ID.3」の今夏発売を待たずとも、電動化モデルの需要が伸びている。2019年11月に発売された最新の「e-up!」はフォルクスワーゲンの最小EVだが、すでに2万台の受注を得ている。「e-up!」の車両価格は2万1975ユーロ(約258万円)だが、6570ユーロ(約77万円)の環境ボーナス、いわゆるエコカー補助金が受けられることから、手の届きやすいモデルになっている。さらに車両保険でも優遇措置が受けられるというから、食指が動きやすくなるのもうなずける。
一方、2019年3月のジュネーブ・モーターショーで発表され、ドイツでは同年6月に発売された8代目「パサート」にはプラグインハイブリッドの「パサートGTE」を設定。ステーションワゴン版「パサーとGTEバリアント」には、システム総合で218psを発するハイブリッドパワートレインを搭載しているほか、最大56km(WLTPサイクル)のEV航続距離を実現。
この56kmの最大航続距離は、同社が統計をとったフォルクスワーゲン・ユーザーの平均的な1日の走行距離である42kmを大きく上回っている。ディーゼルモデルの需要が圧倒的なドイツのDセグメントだが、現在パサートに関しては15%をプラグインハイブリッドの「GTE」が占めるまでになった。この数字は先代型のときに比べて5倍に増加しているという。
2020年も同社は電動化戦略の手を緩めることはない。すでに3月には8代目に生まれ変わった新型「ゴルフ」のプラグインハイブリッド版「ゴルフGTE」が発表されたほか、旗艦SUVの新型「トゥアレグ」に設定された最上級モデル「トゥアレグR」にも、システム総合で462psを発揮するプラグインハイブリッドが採用されている。さらに、新型ゴルフGTEで採用されたプラグインハイブリッドパワートレインは、今後4ドアクーペモデルの「アルテオン」とSUVの「ティグアン」に活用される見通しだ。
一方、ピュアEVでは、今年の6月からいよいよ新世代ピュアEVのコンパクトモデル「ID.3」がドイツ市場で発売される。
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