伝統モデルのデザインや技術を現代風にアレンジ
フェラーリジャパンは6月25日、488GTBの後継となるV8ミッドシップモデルの「F8トリブート」を東京都現代美術館で発表した。
488GTBのデビューから約4年という短いサイクルで登場したF8トリブート。搭載される3.9L V8ターボユニットの最高出力は従来より50psアップの720psを発生、車両重量を40kg軽量化しパワーウエイトレシオを1.85と一層低めたことなどにより、0→100km/h加速は2.9秒、最高速度340km/hと圧倒的なパフォーマンスを誇る。
これに伴ってシャシーも進化しており、走行モード「マネッティーノ」でRACEモードを選択すれば、最新版の「フェラーリ・ダイナミック・エンハンサー(FDE+)」を作動させるという初の試みも導入。こうした先進のビークルダイナミクス技術により、操縦性能も格段に向上したことで、ドライバーが限界域でのパフォーマンスを簡単に引き出し、コントロールできるようになったという。ちなみにステアリングもひと回り小径化され、優れたハンドリング性能を実現している。
コクピットのデザインは、基本構成こそ従来モデルを踏襲しているが、ダッシュ、ドアパネルおよびトランスミッショントンネルなどはすべて再設計。新世代HMI(ヒューマン・マシン・インターフェース)に加え、円形エアベント、新型ステアリングホイールおよびスイッチ類、新型7インチのパッセンジャー・タッチスクリーンディスプレイなども採用している。
一方、エアロダイナミクスは488GTBのスペシャルモデルである488ピスタで採用された、後傾マウントのフロントラジエターやリアスポイラーの両側に設置されたダイナミックエンジン・エアインテークなどエンジンの熱管理系、さらにフロント部のSダクトを踏襲しつつアップデート。これにより空力効率は488GTB比で10%向上しているという。
また、歴代モデルのデザインや技術を現代風にアレンジした装備も採用しており、エンジンルームを覆う新型レキサン製リアウインドウは、フェラーリの最も有名なV8 モデル「F40」をモチーフとしたもの。リアウインドウのルーバーは、リアで発生するダウンフォースを増加させつつ、ブロウンスポイラーの効率に悪影響を及ぼすことなくエンジンルーム内の熱気排出に貢献している。スポイラーもツイン・ライトクラスターとボディ・カラーのテールパネルというクラッシックなテール構成で、308GTBをはじめとする初期の8 気筒ベルリネッタのシンボルのひとつとなっていたものだ。当日発表会会場には、このF40と308GTBも展示されていた。
なおこのF8トリブート、今のところ正式な車両価格はアナウンスされていない。
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