加工したボディの塗装は下地処理が大事
フジミ製1/24スケール・プラモデルのホンダ・プレリュード2.0Siを、エンジン再現なども込みで作り込んでみようという連載の5回目である。前回は4WSやヘッドライトなどのギミック、そしてボディ細部形状の修正などを行ったが、今回はその先、ボディの塗装やインテリアの組み立てだ。
【画像42枚】ボディ塗装から内装、エンジンの組み立てまでを見る!
ボディの塗装と言っても、修正を様々に行ったボディをいきなり塗装するわけにはいかない。まずサーフェイサーを吹いて形状を確認する必要がある。キットのままの素組みであれば、ボディをしっかりと塗装して制作する場合であってもサーフェイサーを省略することは可能だが(このあたりは作る人各自の判断で良く、模型雑誌で活躍するプロモデラーでもサフを吹かない人はいる)、あれこれと手を入れたボディの場合はそうはいかない。
そうはいかないというのは、様々に加工や改造を行ったボディにはキズや面の荒れがつきものだからだ。継ぎ足したプラ板やパテなどとボディとの境目が出てしまっていたり、盛ったパテやシアノンの中に気泡が入っていて、表面を削ることでそれが露出して欠けになったり、あるいは形を出していく際のヤスリやペーパーの削り目が消し切れていなくてキズになっていたり、または修正によってスジボリが消えていたり……。
その場合はもちろん再度の修正が必要なのだが、そうした箇所をそのまま発見することはなかなか難しい。一度サフを吹いてグレー一色に染めることによって、そのような要修正箇所の発見が容易となるのである。またこれは、人によっては加工を行いながらその箇所のみにサフを筆塗りして、その都度発見、修正を行っていくというやり方もあるようである。何度も全体にサフを吹くと、その分スジボリなどのモールドが埋まっていくことになるので、こうしたやり方も賢明であろう。
発見したキズや凹み、欠けなどは、無論いったん埋めて表面を均し平らにする訳だが、ここで何を使うかも意見が分かれるところである。一般的なのはラッカーパテであろうが、これは乾燥に伴い溶剤が揮発して、ヒケが生じる。ボディカラーの塗装やクリアーコートまで済ませてからこのヒケが見えてくることもあるため、こうした用途に適するよう、ヒケの発生を抑えるように作られたパテもある。
そのようなパテであってもやはりラッカーパテであるから、溶剤で溶けてしまう、ということは避けられない。ボディ塗装に満足いかず、塗ったものをいったん剥がして再塗装しようというような場合、その剥離作業によってパテも剥がれていってしまう、そんな状況も考えられる訳だ。これを避けるためには、キズや凹みを埋めるのに瞬間接着剤を使う、という方法もある。いずれにしろ、今回のように執拗な加工を行ったボディは、塗装前にその修正を完璧に行っておくことがカギとなる。
クリアーパーツの修正に気を遣いすぎる必要はなく…
もうひとつ、今回はテールランプ/リアガーニッシュのパーツにヒケがあり、これを修正した。これは一体のクリアーパーツであるが、裏側に取り付け用のダボがモールドされているため、その影響で表側にヒケができていたのだ。あまりに深いヒケであれば、これも瞬間接着剤を使って埋めるということも考えられるが、今回は表面の研磨のみで済ますことができた。
こうしたクリアーパーツを削って加工する場合、スッキリと透明な状態まで戻すことが課題となる。ただしこれは、ウィンドウやヘッドライトのパーツであるか、このようなテールランプやガーニッシュ、ターンシグナルのパーツであるかによって、要求される透明度が異なる。後者の場合は、多少表面に白っぽさが残っていても大丈夫だ。
なぜかと言うと、2000番くらいまで順を追って満遍なくペーパーをかけておけば、上にクリアーレッドやクリアーオレンジを塗ると、その艶出し効果によって透明度が復活するからである。塗装してしまうパーツなら、スッキリ透明な状態に戻すことまでは考えなくても構わない。むしろ、表面に足つけされた状態となり、塗装も乗りやすくなる。バックランプも白っぽい方が却ってそれらしく見えるだろう。
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