細工しやすいサス形状を活かして後輪もステア
フジミ製1/24スケール・プラモデルのホンダ・プレリュード2.0Siを、エンジン再現なども込みで作り込んでみようという連載の4回目である。前回のエンジン/内装再現から少々間が空いてしまったが、今回は4WSやヘッドライトなどのギミック、そしてボディ細部形状の修正などについてお伝えしていこう。
【画像61枚】なるほどこうするのか!と目からウロコが落ちる加工の様子を見る
以前の回でも述べたように、と言うよりは、当時から知る人にはあらためて語る必要もないことであろうが、三代目プレリュードの大きなセールスポイントのひとつが、4WS、すなわち4輪操舵であった。これは量産車としては世界初の機械式4WSであり、前輪ステアリングの切れ角に応じて、後輪の舵角が同方向(前輪の舵角が小さい時)/逆方向(前輪の舵角が大きい時)で切り替わるというものである。
フジミ製プラモデルではもちろんこの4WS機構を取り入れており、前輪との連動こそないものの、後輪もステアが可能なパーツ構成となっている。ただしこのシャシーは、当時のフジミ製キットでおなじみの共通パーツ――簡素なモールドでタイヤハウスもない、”板シャシー”と通称されるもの――をベースとしたもので、再現性という意味では、話になるレベルのものではない。
この記事で制作を進めている作例では、エンジン再現に伴い、シャシーをタミヤ製の二代目プレリュードから移植している。このシャシーは非常に立体感豊かに実車の様子が再現されているものなのだが、いかんせん二代目と三代目では、そもそも実車のシャシーが異なる。フロアパネルの形状などはかなり似ているので大部分共通なのかもしれない(寸法は異なる)が、リアサスペンションが二代目ではストラット、三代目ではダブルウィッシュボーンなのだ。
そこで作例ではどうするかというと、これも以前にお伝え済みだが、シャシーの移植はあくまでエンジンルーム再現のためと割り切り、車体裏面の再現は放棄しつつ、後輪のステアギミックは自作することとした。実際の工作については画像とそのキャプションをご確認いただきたいが、二代目プレリュードのストラット式リアサスペンションは、ステア機構を取り入れるには非常に好都合な形をしている、と言えるかもしれない。
リトラクタブルライトをどうするか…?
また、フジミのキットではリトラクタブル式ヘッドライトが開閉選択式となっている。可動ギミックを仕込むのも面白いのではあるが、作例はエンジン再現をしている都合上、その機構を仕込むスペース的な余裕があまりない。そこで、マグネットを仕込むことにより、完成後も開閉両状態を楽しむことができるように加工してみた。これについても、その詳細については画像とそのキャプションをご参照いただきたい。
これらふたつの可動ギミックの工作を終え、ボディ形状の細かな点にもさらに修正を施し、加工についてはほぼ終わりということになる。次回はボディなどの塗装へと入るであろう、楽しみにお待ちいただきたい。