日産が誇るe-4ORCEの実力を大いに体感!
ここ数年、女神湖の氷上を使用して1月下旬に開催されている日産インテリジェント・ウインタードライブ。AWDモデルをはじめ、GT-RやフェアレディZといったスポーツカーの性能を体感でき、低速でドリフトコントロールを学べる貴重な機会であったが、今年は女神湖の氷のコンディションが悪く、残念ながら周辺の一般道を使用した雪上試乗となった。
アリアは、雪上の上り坂では綿密なトルク制御によりいともたやすく発進し、コーナリングでは前後モーターとブレーキの左右輪制御で卓越したハンドリング性能を、ブレーキングではフラットな姿勢で減速してくれた。
しかし、このことが逆に日産の誇る電動AWD車に搭載されているe-4ORCEの技術を、しっかりと確認できる良い機会となった。
エクストレイルも、アリア同様に雪上で優れた走行性能を発揮してくれるが、コーナリングに関しては、エンジンをフロントに搭載する分、バッテリーを床下に搭載し重心が低いアリアのほうが若干分がある感じだ。
今回AWDモデルではエクストレイルのオーテックバージョンとアリアを試乗したが、エクストレイルで感じたのは雪道での安心感だ。発進から加速、コーナリングやブレーキまで、車両の挙動が安定しており、スムーズにドライブできる。エクストレイルはエンジンを発電機としてモーターを駆動するe-POWERを採用しているモデルだったが、1万分の1秒単位でトルクを制御するe-4ORCEのおかげで、ラフにアクセルを踏み込んでもホイールスピンを極少に制御しつつ発進してくれる。ちょっと意地悪をしようと登り坂でも試してみたが、その効果はてきめんでいともたやすく加速していくのだ。
今回はセレナとフェアレディZも試乗できたが、セレナはFFにも関わらず雪上での走破性が高く、安心してドライブすることができた。
一方で、減速時には前後ブレーキをコントロールしてノーズダイブを抑制する、フラットな姿勢を保つ制御も秀逸。これとアクセルペダルをオフするだけで減速するeペダルを併用すれば、下り坂でも極めて安定したド制動性能を披露してくれる。
フェアレディZはFRゆえもともと雪道は得意ではないが、逆に振り回して走るのも楽しいかも。
このエクストレイルよりも、さらに印象が良かったのがアリアだ。特にハンドリング性能では、床下にバッテリーを搭載しているゆえ重心が低く、不安定になりがちな雪道でもスムーズにコーナーを抜けていく。これは重量もあることが逆に挙動を安定させている効果もありそうで、エクストレイルよりもひとクラス上の質感が高い走りを体感することができた。