歴史の最後を飾ったエアロ武装モデル!アオシマ製プラモ「TRD JZX100チェイサー」を的確なモデリングで!後編【モデルカーズ】

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謂わば究極のチェイサー

JZX100型チェイサーをベースに、TRDのエアロパーツ一式を装備したチェイサーTRDスポーツに関して、前編の記事(下の「関連記事」参照のこと)では、その実車とアオシマ製プラモデルについて記述した。ここでは、ベースとなったチェイサーにについてもう少し詳しく述べていくことにしよう。

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車種消滅からおよそ20年、今では懐かしい車名となってしまったトヨタ・チェイサーだが、全盛期には所謂ハイソカーの代表的存在・マークⅡ三兄弟の中でも「スポーティ」を担う次男(?)として、ひときわ若々しい輝きを振りまいていたものである。その登場は1977年、3代目マークⅡの兄弟車としてのデビューであった。当時の宿敵・スカイラインを倒すべく、それまでのマークⅡでは不足気味だったスポーティ成分を補う存在として、その名に相応しくまさに追撃者として生まれたのが、チェイサーだったのである。

マークⅡの前後デザインを変えた兄弟車にすぎないとは言え、グレードはオーナードライバー向けのものに限定し、ワゴンやバンもラインナップされないなど、その性格付けには注意が払われていた。二代目でもそれは同様で、さらに三代目からは4ドア・ハードトップ専用となり、五代目からはスポーティなツアラー系とラグジュアリーなアバンテ系の2モデル構成となるなどして、発展を続けたのであった。

ここでの本題となる六代目・X100型系は1996年9月に発表された。先代で展開されたツアラー/アバンテの2モデル構成はそのまま継承、シャシーなども引き継いでいる。ボディ形式はやはり4ドア・ハードトップ(ピラード)だが、デビュー時には「ダイナミックなスポーツセダン」を売り文句とした。マークⅡとの差別化はこの世代ではかなり大きなものとなり、前後ともオーバーハングを短く採った(その差は全長で45mm)スポーティなプロポーションが特徴となる。

搭載エンジンは全て直6ツインカム24バルブとなり(ディーゼル除く)、3Lの2JZ-GE(最高出力220ps)を筆頭に、2.5Lターボの1JZ-GTE(280ps)、同ノンターボの1JZ-GE(200ps)、2Lの1G-FE(140ps)があり、さらに2.4Lディーゼルターボの2L-TE(97PS)を加えて、全部で5種類。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーンで、ツアラー系ではもちろんセッティングが固められている。

ツアラー系のラインナップはまずトップにツアラーVがあり、搭載エンジンの1JZ-GTEはこのモデル専用ユニットとなる。次いで1JZ-GE搭載のツアラーS、そして1G-FE搭載のツアラーで、合計3種類。トランスミッションは3グレードとも4速のオートマチックだが、フレックスロックアップ機構などに3グレードでそれぞれ違いがあり、またツアラーVのみは5速マニュアルも設定されていた。

外観上の特徴として、ツアラー系にはフロントはダークメタリックのグリル、リアは標準でリアスポイラーが装着されたが、アバンテ系でもスポイラーは装着可能であった。その他のエアロパーツとしては、フロントスポイラーやサイドマッドガードがオプションで用意されていた。インテリアはスポーツタイプ・シート(斜め柄の生地が特徴)やリアルカーボンパネルが、3グレード共通の装備となる。

生産終了までの変化はあまり大きくなく…
以後の変化をツアラー系にのみ限定して述べていくと、1997年4月には特装車としてTRDスポーツを発売。1998年8月にはマイナーチェンジで細部を変更、フロントグリルやテールランプなどのデザインを改めている。1999年1月には、全3グレードに特別仕様車グランデパッケージを設定。ボディカラーのクリスタルパールマイカのほか、木目調のインテリアパーツや専用表皮のシートなどを奢ったモデルであった。

2000年12月にはツアラーVとツアラーSに、やはり特別仕様車のリミテッドを追加。これはボディカラーのスーパーホワイトパールマイカや専用表皮のシートなどが特徴である。そして2001年6月、X100型系チェイサーは生産を中止。25年近いチェイサーの歴史にはここで終止符が打たれることとなったのである。

作例制作=北澤志朗/フォト=服部佳洋 modelcars vol.272より再構成のうえ転載

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