エンジンとフレームの接合を確定!旧グンゼ製ハイテックモデル「ジャガーEタイプ」を地道に作ってみる・第3回

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隔壁はプラに置き換えてディテールを追加する

先日よりお伝えしているジャガーEタイプの1/24スケール・モデル制作工程であるが、使用しているキットはグンゼ産業(現GSIクレオス)のハイテックモデルだ。このシリーズは第1回でもお話したように、プラ製のボディを基本として、ホワイトメタルやエッチング(ステンレス)、軟質樹脂などのパーツを組み合わせたマルチマテリアルキットだった。

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プラ以外の素材の中で、特に目玉となるのはホワイトメタルであろう。エンジンやサスペンション、駆動系などに使われたメタルパーツは、そういったメカニカルな部分に金属ならではの質感と重量感を与えてくれる。もっとも、実車をきちんと再現しようと思うと、そうした部品の大半は塗装して仕上げることになるから(無塗装でフィニッシュするという選択肢もあるが)、別に金属である必要もないのではないか、という意見も根強い。色を塗ってしまえばプラスチックも金属も違いはないんじゃないか? ということだ。

この点は意見の分かれるところであろうと思われるが、個人的には、塗装をしても質感というものは殺がれないのではないかと思う。鋳造された金属部品のざらついた表面やシャープなエッジなどは、やはりプラスチックとは違うもので、それは色を塗っても変わらない。ただし、そういった部分は写真では伝わりづらい要素でもあるので、大した違いはないという意見が出るのも、頷けるものではある。

コラージュされた写真の左上を見るとわかるように、このキットでバルクヘッドに付くパーツは、ヒーターボックスとウォッシャー液のボトルだけだ。しかし実車は、もっといろんな補器が付く。そのあたりも再現したい。

そんなことも考えつつこのキットを眺めると、適材適所、うまい具合に素材の選択が行われていると思うのだが、ひとつだけ「?」となってしまう部分がある。第1回で書いたように、バルクヘッド(隔壁)がホワイトメタルである必要はないのではないか? ということだ。

あるいは重量的なバランスの面を考慮した選択かとも思ったのだが、エンジンなどは前輪より後ろに位置していて、隔壁が金属でなくてもバランスはとれているようだから、関係はなさそうだ。構造的に、重い隔壁でフレームのパーツをガッチリと押さえつけるため……ということもなさそうである。どうやって作るかということを考えたときに、このバルクヘッドのパーツにはあれこれと加工をしたい(補器の追加だけでなく、パーツの表面がただの平面であるためプレスパターンなども再現したい)ので、ここは思い切ってプラスチックに置き換えることとした。

あのキットからパーツを利用! でも形が違う!
では、どうやって? となるのだが、プラ板から自作するのも可能ではあるだろう。しかし手元に手頃な品があるので、これを活用することにした。このハイテックモデルの廉価版としてプラパーツを増やした「1/24名車シリーズ」版のEタイプである。これはサスペンションやフレームをかなり一体化してプラパーツに置き換えたキットで、エンジンの再現はないのだが、なぜかバルクヘッドがパーツ化されているのだ。

前回まででフレームとフロントサスペンションはおおむね形になったので、それらとボディとのフィッティングを確定する段階に入るわけだが、そこで同時に、このバルクヘッドのパーツも置き換えた際の具合いを確認することとした。パーツを比較すると、パッと見た感じはメタルとプラで同じ形なのだが、よく見ると細かなところが違っている……寸法的にも同じではないのだ。しかし、フレームとのフィッティングという意味では、加工は少しで済んだ。以前にはメタルのバルクヘッドを彫り込むことを考えていたので、ほんの少し肩の荷が下りたようだ。ほんの少しだが。

作例制作・写真・文章:秦 正史

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