地味シブながらスポーティなコメットさん!メビウスモデル製プラモ「1965年型マーキュリー・コメット・サイクロン」【モデルカーズ】

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キャッチコピーは「エンスージアストの夢のクルマ」

マーキュリー・コメットは、フォード製乗用車の中でも中級クラスを担うブランド、マーキュリーのコンパクトカーとして、1960年型から登場した。同時にデビューしたフォード・ファルコンと基本構造は共用しながらも、ファルコンの109.5インチ(2781mm)に対して114インチ(2896mm)と、ホイールベースが長めに採られていたことが特徴である(ワゴンのみファルコンと共通)。

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このように元々コメットはコンパクトとしては大きめのサイズで、ミッドサイズ的な性格も持つものであったが、登場6年後の1966年型からはフォード・フェアレーンの兄弟車となってインターミディエイトへと格上げされた。そのため、この1965年型がコンパクトのコメットとしては最後の年式となる。

初期のコメットはボディにテールフィンを生やしており、1950年代の雰囲気を色濃く残すものだったが、1964年型では大幅にスキンチェンジされ、より直線的なデザインに生まれ変わっている。それでも、リアデッキのコーナー部分はツンと尖った形になっていて、フィンの名残りを漂わせていた。1965年型ではリアエンドをなだらかな形にリデザインしテールフィン的な雰囲気を一掃したほか、スタックド・ヘッドライト(タテ目)も採用。マーキュリーと言うよりも、フォードのフルサイズに似たデザインとなった。

1965年型コメットは大きく4つのシリーズに分かれており、廉価版のコメット202、その上がコメット404、豪華なコメット・カリエンテ、そしてスポーティモデルのコメット・サイクロンという構成。202と404には2/4ドア・セダンと4ドアのワゴン、カリエンテには4ドア・セダンと2ドア・ハードトップおよびコンバーチブルが用意されていたが、サイクロンは2ドア・ハードトップ限定のモデルであった。

コメット・サイクロンはフロントマスクにセンターグリルを有して他のコメットと差別化されており、クロームホイール(風ホイールキャップ)などでスポーティに装うだけでなく、インテリアにはコンソール付きバケットシート、タコメーターを装備。これらのアイテムは決して見掛け倒しのものではなく、エンジンも4バレル・キャブレター装着の289-cid(4.7L) V8(225hp)を搭載していた。他のコメットでは200-cid(3.3L)の直6(120hp)が標準で、V8の場合(同じく289)も2バレル・キャブ仕様(200p)であったから、その違いは推して知るべしである。

サイクロン専用のオプションとしては、バイナルルーフ(ブラックあるいはホワイト)が用意されたほか、「ラリー・パック」ゲージ・クラスターがあった。これは、バキューム計やタコメーターなどをダッシュ上に配置したものである。また、強化されたサスペンションを持つパフォーマンス・ハンドリング・パッケージを選ぶことも可能で、さらに、271hp仕様のエンジン(289-cid)も設定されていた。

強すぎる逆スラントの緩和などで、素晴らしいキットがより良い完成品に!
コメットの1/25プラモデルとしては、1960~1964年型がアニュアル・キットでAMTからリリースされていた。1965年型のマーキュリーはフルサイズのパークレーンのみがキット化。翌1966年型のコメットはインターミディエイトとなって、同年のコメット・サイクロン、1967年型サイクロン(当時ものと1993年新金型の2種あり)という具合にキット化が続いている。つまりコメットは、1965年型だけが、長らくキットが存在しなかった。

メビウスモデルから、この穴を埋める貴重な存在として1965年型コメット・サイクロンがキット化されたのは、2016年のことである。まずストックが発売され、その後ドラッグレース仕様も2種類リリースされた。ここでお見せしているのはストック仕様を制作した作例である。

キットのボディは直線的なフォルムを良く再現している。唯一気になるのが逆スラントしたフロント周りで、実車のイメージではもう少し垂直に近い印象だが、幸い少しの調整でイメージはかなり良くなった。また、リアの「COMET」のロゴはややオーバースケールのようだ。前後の車高はストックとしては高めで、作例では少し車高を下げた状態に調整した。

フロントは3mmほど下げた位置に2mm径の真鍮棒をシャシーの側面へ貫通させて、そこにホイールをセット。ロアアームをシャシーから一度切り離して再接着、その他の足周りのパーツを組んでしっかり固定した後、エンジン部分に干渉する真鍮棒を削り取った。リアは、リーフスプリングの湾曲を力技でほぼ真っ直ぐに伸ばし、リアアクスルと接着。リーフ前側のリンクを前にずらして取り付けられるように、シャシー側に新規に穴を開けておき、リアサスの取り付けは、ボディとシャシーの組み立てが終わった最終段階で行った。

ウィンドウのパーツは全て外から貼る方式で、窓枠はウィンドウ側にモールドされている。作例では、ボディ塗装の完了後ウィンドウを接着してから、窓枠にベアメタルを貼った。フロントウィンドウ下の枠だけはボディ側となっていて、接着面が外から見えるので、ウィンドウパーツ側の断面にシルバーを塗っておくと良い。また、リアウィンドウの上側の取り付け部分(ボディ側の接着シロ)が、ウィンドウ取り付け後にも見えてしまう。ボディのこの部分だけ予め削り取っておくと良いだろう。各部のバッジ類はデカールで用意される。作例では、先にベアメタルを貼ってからデカールを貼った。

作例制作=畔蒜幸雄/フォト=服部佳洋 modelcars vol.254より再構成のうえ転載

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2023/01/12 17:40

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