「毎日1テーマずつ読めば、1か月後に所さんみたいな思考になれる!」
「所ジョージの世田谷ベース」の最新号は記念すべき50号目。雑誌『Daytona』で6年以上連載を続けてきた「トコロ辞典」の膨大なアーカイブを再編集し、一冊にまとめた完全保存版です。ひとつのテーマは約5分で読みきれるので、毎日1テーマずつ読み進んでいけば、おおよそ1か月で完全読破。翌月には、所さんみたいな思考回路に近づいてしまい、楽しくてしょうがない毎日がやってきてしまうというコンセプトで制作、ここではその一部をチラ見してみましょう。
まと‐はずれ【的外れ】
〔矢が的を外れる意から〕 要点からそれていること。ねらいが外れていること。また,そのさま。見当はずれ。「―の質問」「―な批評」大辞林参照
トコロ辞典的「的外れ」の解釈
表面的には正しいことをやっているように見せかけているが、実は本当の目的が違っていること。損得で考えている場合に起こりがち。誰かのために役に立つという目的をはっきり持つことにより、正確に的を狙えるようになる。
■看板も的外れ
高速道路の出口に、逆走を防止するため「進入禁止」と書いた大きな看板があります。それを見るたびに、なんて意味のない看板だろうと思うのです。そもそも、普通の人は出口から高速に乗ろうとはしません。つまり、進入禁止という看板は、常識から少し逸脱してしまっている人のためにあるわけですが、しかし、すでに逸脱しちゃっている人は、その看板の意味を理解するでしょうか?
存在には気がついたとしても「あ、入っちゃいけないんだ!」とはならず、どんどん行っちゃう。だから逆走する人がいるわけです。逆走をなくすための看板ではなく、これだけ看板を立てていますから、逆走で事故が起きても私達のせいじゃないですよ! という行政の言い訳に見えてしまいます。つまり、まったくの「的外れ」。
高齢の方の事故が増えていることもあり、車が勝手にブレーキを踏んでくれるようにしよう、いやいや、自動運転にしよう、と躍起になっていますが、これも「的外れ」。じゃあ、包丁も外で振り回す奴がいるから切れなくしちゃいましょう、というのと同じです。
車を運転する側の人間を放置しておいたら、根本の解決にはなりません。高齢になっても、ちゃんと運転できる人のほうが多いのに、自動ブレーキなどにしたら、そういう人たちの運転能力を落としてしまうだけです。1トン以上ある鉄の塊を運転するのですから、いざという時対応できる感覚や能力を、きちんと管理するのが正しいのです。
70歳を超えたら半年に一回、80歳を超えたら月に一回など、定期的に運転試験を受けなくてはいけない制度にする。高齢者用の運転練習場を作り、いつでも練習できるようにする。そうすれば、運転能力や安全意識が高まるし、能力的に厳しいなと感じた高齢者が免許を自主返納しやすくなる。そして、めんどくさいと考える人は運転しなくなると……。
なぜ、こういうことをしないで、自動運転に突き進もうとしているかというと、損得で考えているから。自動運転の許認可で予算が増えるし、天下り団体もでき、さまざまな業界は商売のチャンスが増える。そう考えているのではないでしょうか。
【写真7枚】『所ジョージの世田谷ベース vol.50』をチラ見!
■的外れな人生とは
『籠に乗る人担ぐ人、そのまた草履を作る人』という言葉があります。これはさまざまな人で社会は構成されていますよ、ということの例えなのですが、最近の風潮として多くの人が”籠に乗る人”になろうとしてしまっているように思えます。しかし、それが本当に幸せなのだろうか? とワタシは考えるのです。
籠を担ぐ人は、これまでの経験値を生かして、籠を揺らさないように運ぶ技術や何処までも走って行ける体力がある。草履を作る人は、履きやすくて疲れない草履を編む技術を持っている。つまり、両者とも自分の経験値や技術を持っていて、それが他人の役に立つことで、働く喜びを感じることができ、充実感を味わうことができているわけです。
となると、この中で一番つまらない人生を送っているのは、ただただ籠の中に座っている人。『籠に乗る人になりたい』という「的外れ」な目標を持ってしまうことで、見失ってしまう幸せがあるということに気づくことは大切。だからワタシは、籠の中でわらじを編む人になりたい。そう思うわけです。
■そろそろおかず改革
働き方改革もまた「的外れ」な事柄です。自分の働き方を国に決めてもらうなんて、それはまるで、会社に行く前に必ずハンカチ持ったかを確認してほしいと母親に言うようなもの。こういうことを受け入れていたら、そのうち、健康のため、晩御飯は野菜を5種以上入れないといけないという「おかず改革」が可決されてもおかしくない。
残業が多いのに給料が上がらないのはどういうことだ! と声高に叫んだとしても、そもそもその会社の試験を受けて入ろうとしたのは自分でしょう。何も首に縄をつけて働かされているわけじゃない。
自分と同じ会社で働いていて、それなりの地位や収入を得てきた人がいるはずです。そういう人はきっと、残業しないように仕事を工夫したり、商売のアイディアを考えついたり、上役にゴマをすったりして、あれこれ努力しているのではないでしょうか。何もしないで不満を言うのもまた「的外れ」だと思うのです。
わらじを編んだり、籠を担いだり、誰にも負けない何かしらの技術が自分にあれば、働く場所は世の中に沢山あるもの。どうしても不満だとすれば、自分はその会社に向いていないのだから、いっそのこと転職してみてはいかがでしょうか。誰かの役に立ち、生きる喜びを感じることができる、そんな人でありたいものです。
所さん的「的外れ」の続きは、所ジョージの世田谷ベース vol.50をご覧ください!
所ジョージの世田谷ベース vol.50
定価:1,020円
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・掲載テーマ
あいそ【愛想】
あつ‐くるし・い【暑苦しい】
いそがし・い 【忙しい】
おとしあな【落とし穴】
おも‐しろ・い【面白い】
おもい‐つ・く【思い付く】
おんきせ‐がまし・い【恩着せがましい】
かた‐づ・ける【片付ける】
かんが・える【考える・勘える】
き‐しょう‐てん‐けつ【起承転結】
クリエーティブ【creative】
クレーム【claim】
けっ‐こん【結婚】
けん‐ぜん【健全】
こ‐せい【個性】
ころばぬさきのつえ【転ばぬ先の杖】
し‐あわせ【幸せ・仕合(わ)せ】
じっ‐しつ【実質】
しっ‐ぱい【失敗】
じょう‐ほう【情報】
そうぞう‐りょく【想像力】
ちゃく‐ち‐ てん【着地点】
て‐ま【手間】
てい‐ へん 【底辺】
てん‐ごく【天国】
ととの・う【整う】
のり‐しろ【糊代】
ヒーロー【hero】
ひにちじょう(せい)【非日常(性)】
ひょう‐げん【表現】
べん‐り【便利】
まと‐はずれ【的外れ】
まん‐ぞく【満足】
め‐くじら【目くじら】
メリット【merit】
やくにたつ【役に立つ】
やり‐なお‐す【やり直す】
よ‐ゆう【余裕】
ルール【rule】
わ・る【割る】
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