重厚!荘重!高峻!アオシマ製プラモ「150クラウン・マジェスタ」の縦型テールにシビレる【モデルカーズ】

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セルシオとクラウンの隙間を埋めた上級サルーン

トヨタのクラウンには、1990年代から2010年代にかけて、その上位車種としてクラウン・マジェスタが存在した。6世代に渡って歴史を重ねたマジェスタであるが、その特徴は、V型8気筒エンジン搭載モデルをラインナップしていたことだ(6代目除く)。マジェスタの直接のルーツとしては、8代目クラウン(S130型系)に設定されたV8搭載モデルを挙げることができるだろう。1987年に登場したS130系クラウンは、当初は3Lモデルをフラッグシップとしていたが、1989年のマイナーチェンジで、V8の1UZ-FEエンジンを搭載した4000ロイヤルサルーンGが加わったのである。

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このエンジンは広く知られているように、同年にデビューした初代セルシオ用として開発されたものだが、ここでクラウンに先行して搭載された形となる(初代セルシオは北米ではレクサスLS400として先に発表されている)。これは、当時破竹の勢いを誇った日産のシーマに対抗する意味もあったのであろう。この4Lクラウンが、1991年のモデルチェンジで独立したのが、初代マジェスタ(S140型系)である。クラウンとセルシオの間を埋める車種ということになるが、V8 4Lだけでなく直6 3L搭載モデルも用意されていた。

この初代マジェスタは、丸みの強いボリューミーなボディスタイルが特徴であったが、この4年後の1995年に登場した2代目・S150型系は、直線的でシャープなルックスとなった。外観で最大の特徴は縦型のテールランプで、見ようによっては初代クラウン後期型のテールフィンをも思わせるクラシカルなものだったが、そのハイデッキスタイルのボディラインはきわめて現代的なものでもあった。以後、縦型のテールはマジェスタのアイデンティティとなっていく。

初代マジェスタはクラウン伝統のフレーム付シャシーから訣別したことが話題となったが、2代目マジェスタも同様にモノコックボディを採用。ボディ形式としては、1970年代からクラウンの伝統であるピラードハードトップである。サスペンションは前後ともダブルウィッシュボーン、エンジンは引き続き1UZ-FE。V8 DOHCの3968ccで、最高出力は280psであった。また、直6 3Lの2JZ-GE搭載モデルも先代同様にラインナップ。登場2年後の1997年にはマイナーチェンジで後期型となり、その2年後の1999年に3代目マジェスタへとモデルチェンジされている。

キャンディカラー的な塗り重ねで美しく塗装
このS150型マジェスタ、1/24スケールのプラモデルとしてはフジミとアオシマの2社によるキットが存在しているが、ここでお見せしているのは、アオシマ製キットを美しくフィニッシュしたものである。このアオシマ製キットはなかなか面白い経緯を辿っていて、製品化自体は1990年代当時に行われていたものなのだが、バリエーションとしてはVIPカー仕様しか存在していなかった。ノーマル仕様は2013年になって、バンパーやフロントグリル、ホイールなどを新規に用意して漸くリリースされたものなのである。

再現されているのはマイチェン後の後期型のみで、前期型は存在しないのだが、元々キットのボディ形状は非常に伸びやかに実車のラインを捉えていて、完成するとなかなか見栄えがする。新規パーツのバンパーもボディとのフィッティングは良好! なのだが、ホイールアーチのラインが上手く繋がってないように感じられるかもしれない。というわけで、作例ではそこに修正の手を加えてある。

作例のボディカラーはダークブルーパールのツートンということで、ブラックとGXメタルブラックを混ぜたカラーを下塗りとし、ガイアのプレミアムクリアマリンブルーにクリアを混ぜて上塗りし、キャンディカラー調に仕上げている。通常のメタリックやパールでは出ない独特のきらめきが、高級感を際立たせてくれたようだ。そうしたボディ塗装の仕上げも含め、制作の細部については工程写真のキャプションをご参照頂きたい。

作例制作=Ken-1/フォト=羽田 洋 modelcars vol.212より再構成のうえ転載

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