【国内試乗】これはガソリン or PHEVどっちを選ぶかホンキで悩む!? DS9はふたつのパワートレインでセンス良く棲み分けられたフラッグシップセダン

パワーユニットの多様化に合わせた選択が可能

OPERA(オペラ)にはルビーのような深紅が印象的なアールルビィと呼ばれるムラ染のレザーが貼り込まれる。ウォッチストラップデザインのシートにナッパレザーを使用しているのもDSオートモビルならではの意匠。

いっぽうのガソリンエンジンは高回転までストレスなくよく回り、それに伴う出力やトルクの出方もうまくシンクロしている。全長が5m近くあるものの重量は1.6トン台に収まっているから、鈍重な感じもパワー不足もまったくない。ボディサイズに対して望外な軽快感が味わえる。

ガソリン仕様の印象を”軽快感”と言うなら、PHEVは対極に位置する”重厚感”という表現がふさわしいかもしれない。モーターとバッテリーを積むPHEVのほうが約300kg重いので、この重量差が重厚だと感じる原因のひとつになっているのは事実である。でもそれだけではなく、モーターによるピックアップのよさをいたずらに誇張することなく、”静々と力強い”という加速感の演出もひと役買っているように思えた。

パワートレインの多様化が進むいま、クルマの乗り味に合わせた最適なユニットを選ぶセンスがメーカーには求められる。その点DS9は、乗り心地や静粛性といった快適性はほぼ同等としながらも、ゆったり乗りたい人にはPHEV、積極的に運転を楽しみたい人にはガソリンエンジンと、センスのいい棲み分けに成功している。

【SPECIFICATION】DSオートモビルDS9オペラE-TENSE
■全長×全幅×全高=4940×1855×1460mm
■ホイールベース=2895mm
■車両重量=1930kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1598cc
■最高出力=200ps(147kW)/6000rpm
■最大トルク=300Nm(30.6kg-m)/3000rpm
■モーター最高出力=110ps(81kW)/2500rpm
■モーター最大トルク=320Nm(32.6kg-m)/500-2500rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=235/45R19:235/45R19
■車両本体価格(税込)=8,040,000円

【SPECIFICATION】DSオートモビルDS9オペラ
■全長×全幅×全高=4940×1855×1460mm
■ホイールベース=2895mm
■車両重量=1640kg
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ/1598cc
■最高出力=225ps(165kW)/5500rpm
■最大トルク=300Nm(30.6kg-m)/1900rpm
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=ストラット:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:ディスク
■タイヤサイズ(F:R)=235/45R19:235/45R19
■車両本体価格(税込)=7,140,000円

DSオートモビル DS9公式サイト

フォト=郡 大二郎/D.Kori ルボラン2022年9月号より転載

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