もはやこれはSUVを超えた存在だ! 新型レンジローバーは最新技術と優れたデザインで爆売れ間違いナシの1台

新型レンジローバーは標準とロングのふたつのホイールベースと、マイルドハイブリッドの直6ディーゼル、直6ガソリンエンジンをベースにしたPHEV、そしてV8ツインターボの3種類のパワーユニットが日本仕様として用意されている。試乗車はロングホイールベースのボディとV8を組み合わせたモデルだった。

4.4L V8ツインターボはBMWとの協業による新開発ユニット。燃費は従来型に対して17%向上、NVH低減を狙った設計も施されている。

ボディはモノコックを踏襲しているものの、従来型のアルミ主体からいくつかの金属を適材適所に配置する”MLA-Flex”と呼ばれる新しいアーキテクチャーに生まれ変わった。たしかにボディの剛性感は高いが、前後軸重の差はわずか10kgとほぼイーヴンで、おそらくパワートレインの搭載位置なども吟味したアーキテクチャーだと思われる。サスペンションはエアサスが標準装備となる。

シンプルでクリーン、そして隅々にまでハイクオリティが貫かれた室内。13.1インチタッチスクリーンの操作性もきわめて良好だ。

乗り心地は速度や路面を問わず極上である。ランドローバーのエアサスは出来がよく、ディフェンダーも快適な乗り心地を提供するので大方の予想はついていたものの、レンジローバーのほうがより上質だ。路面からの入力を空気ばねが可能な限り吸収し、電制ダンパーが”ゆっくり急いで”減衰させる。ばね上の動きを積極的に抑え込みにいくほど縮み側の所作は早くないけれど、残像が残るほど遅くないという絶妙なセッティングにより、ゆったりかつしっかりした乗り心地になっている。

ホイールベースを200mm延長し、シートレイアウトは2+3+2。リアドアの大きさからも察せられるとおり2列目以降へのアクセスも◎。3列目も大人が寛げる空間が確保される。

高級車がマルチシリンダーのエンジンを搭載するのはパワーだけでなく、動的質感の高い回転フィールが欲しいからで、このV8は上質な乗り心地との馴染みが抜群にいい。エンジンとサスが併せてレンジローバー全体の雰囲気を作り上げているに違いない。

フロアはやや高めながら、スクエアなラゲッジスペース形状は使い勝手の良さが窺える。2/3列目シートとも荷室からのワンタッチ可倒式だ。

標準装備の後輪操舵のサポートもあって想像以上によく曲がるし、前後のロールも見事に制御されている。総じて新型レンジローバーは雑味がどこにもなく、ドライバーの意図通りに動くシンプル&クリーンな乗り味に帰結していた。

【Specification】ランドローバー・レンジローバー・オートバイオグラフィーP530 LWD
■車両本体価格(税込)= ¥22,240,000
■全長×全幅×全高=5265×2005×1870mm
■ホイールベース=3195mm
■トレッド(前/後)=1700/1705mm
■車両重量=2750mm
■エンジン型式/種類=B44/V8DOHC32V+ツインターボ
■内径×行程=89.0×88.3mm
■総排気量=4394cc
■圧縮比=10.5
■最高出力=530ps(390kW)/5500-6000rpm
■最大トルク=750Nm(76.5kg-m)/1850-4600rpm
■燃料タンク容量=90L(プレミアム)
■トランスミッション形式=8速AT
■サスペンション形式=前:ダブルウィッシュボーン/エア、後:マルチリンク/エア
■ブレーキ(前/後)= Vディスク/Vディスク
■タイヤ=前 285/40R23(9.5J)、後 285/40R23(9.5J)
■問い合わせ先=ジャガー・ランドローバー・ジャパン ☎0120-18-5568

レンジローバー公式サイト

フォト=郡 大二郎/D.Kori ルボラン2022年9月号より転載

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