
横浜ゴムから新しいウルトラハイパフォーマンスタイヤ「ADVAN Sport V107(アドバン・スポーツ・ブイ・イチマルナナ)」が発売された。今回はワインディングロードでの新旧比較が叶ったので、その圧倒的なパフォーマンスの進化をレポートしたい。
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妥協なきプレミアムタイヤ
まずは「ADVAN Sport V107」とはどんなタイヤなのか、どんな人に向くのか、などを、タイヤのプロフィールをおさらいしながらお話ししていこう。
横浜ゴムの「ADVAN」ブランドのイメージと言えばやはり、ストリート最強タイヤ「NEOVA(ネオバ)」という人も少なくないだろう。また、国内トップカテゴリーのスーパーGTやスーパーフォーミュラを連想する人もまた、多いに違いない。つまりADVANブランド=スポーツタイヤという図式は消費者のイメージの中に成立しているということに異議はないと思うが、実はADVANにはもうひとつ、横浜ゴムのフラッグシップ、という顔もある。
今回登場した「ADVAN Sport V107」は、スポーティさに加えてプレミアム性も高めたモデルだ。
装着を見越しているのは欧州のハイパフォーマンスカー。むろん、今回のテスト車である718ボクスターはもとより、ポルシェで言えば911カレラなどもターゲットに入ってくる。今回の撮影中には一般の方が乗るケイマンGTS4.0にも出会ったが、まさにそういったモデルにはうってつけ。つまり、当サイトで本記事を読んでおられるようなカーガイ諸兄には、もれなくフィットするタイヤであろう、ということをご理解いただきたい。
ADVAN Sportに求められるものとは
さて、ターゲットがわかったところで、多くのハイパフォーマンス系輸入モデル、もしくは国産高級スポーツモデルに必要なタイヤの性能とは、どういうモノなのかを考えたい。
コーナリングを安心して攻められるハイグリップに高速域を殺さない直進性能。高いブレーキング能力。これらはスポーツを感じる走行のために、必ず求められる性能だ。
しかし、使用シーンがストリートであること、そして装着ターゲットが高級車であることから、ドライ路面はもちろんのこと、さらにウェットでのバランスの良さ、静粛性、また揺れ・振動などのコンフォート性も兼ね備えなければならない。
そういった意味で、先代モデルとなるADVAN Sport V105は、価格も含めて非常にバランスの良いタイヤだったと思う。
今回のテストで、まずはこのV105に試乗したが、やや路面からの音・入力の強さが気になったものの、さほど悪い印象は受けなかった。むしろ、サイド剛性のしっかりしたヨコハマらしいカッチリさに、好印象を抱いたほどだ。
走り出しから違いを実感
しかし、新型のADVAN Sport V107は走り出しからすぐに先代V105を越えているとハッキリ分かった。「きっと違いはすぐに分かりますよ」そう言った担当氏の笑みはこういうことだったのか! ハンドルを握りながら思わずこちらもニヤリとしてしまうほどだ。
まず断然静かであること。そして、圧倒的に振動がない。まるでクルマ側のオイル交換でもしたのかと感じるほど、コンフォート性が段違いに向上している。
さらに、コーナーに入る際にはステアリングに対しての素直さが際立った。旧型のV105にさして不満はない、と単体の試乗では思っていたが、こうして新型に試乗したあとでは、操舵に対してややコーナー内側にタイヤが入っていったような印象を受ける。これはV105のグリップが良いということではなく、振動やビビリに対して余計にドライバーがステアリングを切らなければいけないということが、オーバーな挙動に出たのではないかと分析したい。
つまり、V107ではドライバーに伝わる余分な雑味が拭われたことによって、適正にステアリングを切っていけるのだ。切りすぎも切り遅れもなく、スッとコーナー出口を目指して切り/戻しが出来る。そしてその操舵の最中も接地が非常に滑らか。ADVANらしい横方向に対してのカッチリ感はそのままに、しっかりと路面を掴むグリップを感じつつも、あきらかに振動がなく、断然スムーズなのだ。従来型との違いをひしひしと感じる。
さらに制動も良かった。下りのワインディングでは特にこの性能に対しての評価が必要になるが、ギュッと強くブレーキを掛けるコーナー進入時から縦方向にしっかりと制動が生まれており、クルマがブルブルしないのは安心出来るポイントでもある。少しブレーキを緩めつつも薄く効かせながらターンインしていくときも走行ラインはブレず、高い安心感が継続する。
「こんなに進化するなんて、一体新型に何をしたんですか」との問に対して、担当氏は「技術的には正当進化をさせました」と返答。
つまり運動性能・快適性・安全性を先代よりも拡大し、ドライ・ウエット性能と操縦安定性を高めた、ということだ。
コンパウンドの変更、左右非対称トレッドパターンの新設計などはもちろん、V105で培った最先端技術「マトリクス・ボディ・プライ」という、サイドからショルダーまで交差する二重構造で周方向の剛性を向上させる技術を継承し、さらに同社初となる高剛性のアラミド繊維を使った「パワークラウンベルト」を採用。そして接地性の向上のために断面形状「マウンド・プロファイル」をさらに進化させるなど、新技術が目白押しだ。
そして、この裏にはただの新開発だけでななく、飽くなきプレミアムコンフォートスポーツモデルへの挑戦があると感じた。現在もハイエンドなスポーツモデルの純正装着に向けてのチャレンジを続け、その技術を磨いているということを取材の最中にチラリと漏れ聞いた。そして、その中で生産技術の向上も、社内としてたしかに感じているのだという。
ADVAN Sport V107に限らず、プレミアムコンフォートスポーツタイヤ、というのはものとても難しいパッケージだと思う。スポーツ走行全振りであればある意味ウェットを犠牲にしてもいいし、グリップ性能を尖らせれば成立するだろう。しかし、ウェットとドライ、そして制振静粛にブレーキングにグリップと、相反する性能をすべて高い次元で叶えなければいけないのがこのカテゴリーだ。
ADVAN Sport V107は、それに成功したと思う。位置づけとしてはウルトラハイパフォーマンスタイヤだけれど、しっかりとコンフォートでもある。その転がりの良さとバランスの良さを、是非体感してほしい。
- 新型のV107に履き替え。ホイールがシルバーに代わるとクルマ全体の印象もかなり変わる。
- コーナーにも安心して切り込んでいけるので、運転をより楽しめるフィーリングに。
- 今回はADVAN Sport V107とV105を箱根ターンパイクにて新旧比較。テスト車両は718ボクスターだ。
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