心身ともにアメリカンカルチャーどっぷりの施主が建てた、カスタムとメンテの秘密基地
学生時代からヴィンテージハーレーに乗り継いた施主は、卒業と同時にアメリカンカスタムブランドとして有名なムーンアイズへ入社。心身ともにアメリカンカルチャーに浸かる日々を楽しみつつ、その傍ら世界最速を目指すボンネビル・スピードウィークへの挑戦を決意する。ここで紹介するのは、そのレーサーが眠るガレージだ。
アメリカのレジェンド的ホットロッダー、ディーン・ムーンによって創設されたカスタムパーツ&グッズブランド「ムーンアイズ」。アメリカンカーカルチャーを発信し続ける老舗であり、多くのカーガイ&バイカーを魅了する同ブランドだが、今回伺ったガレージの施主、Yさんも元々はムーンアイズの世界観に惹きこまれた一人のファンであった。
「私は九州出身なのですが、学生時代にヴィンテージハーレーを4台乗り継いでおり、ムーンアイズ主催のホットロッドカスタムショーに出展することもありました。そしてムーンアイズのスタッフと知り合い、同社に新卒で入社し、横浜へ来たのです」
ハーレーも持ってはきていたものの、アパート暮らしということもあり、セキュリティ面やメンテナンス出来る場所、などからガレージへの憧れがずっとあったと言う。そんなYさんがガレージハウスを建てようと思ったきっかけは、勤続三年を過ぎれば住宅ローンを組むことができると知ったことだった。
「右も左もわからない状態のまま銀行へ行き、融資の相談をしてみたのです。ところが”どのような家を建てるため”に”いくら必要”なのかがわからないと話にならないと言われてしまい、その銀行と取引のあった工務店を紹介してもらいました。何もイメージできていなかったものですから、戸建て建売り物件、中古物件、借地権物件など家を購入する際のターゲットをすべて見せてもらいました。その中で今家を建てた土地を紹介してもらったのです」
ハーレー2台を格納するガレージハウス
Y邸が建てられた場所は、勤め先からクルマで10分程度の場所に位置する高台。その眺望は素晴らしく、みなとみらいエリアを一望することができる。ガレージの中を覗くと、ナンバープレートが取り付けられたストリート仕様の1961年式パンヘッドと、もはやベース車両がわからないほどにカスタマイズされた1968年式アイアンヘッドの2台が収まっていた。
実はこのアイアンは、今年のボンネビル・スピードウィークに挑戦するレーサーとして仕立てられたものであり、ガレージ取材直後にアメリカへと輸送されるものだ。
「このアイアンはアメリカから渡ってきた車両を学生時代に購入したのですが、登録することなく付き合いのあるショップに置かせてもらっていました。いつかは遊びバイクとしてレストアしようと考えていたところにドラッグレースに興味を持ち、どうせチャレンジするならソルトレイク(ボンネビル)を目指そうと思いレーサーに仕立て上げたのです」
2台のハーレーが悠々と収まるガレージは、実は当初奥様が使うクルマも合わせて入れる予定だったそうだが、棚などを設置すると無理なことがわかり、現在クルマは家の前のカースペースに置かれている。
「クルマが外に出されることははじめから予測していましたよ」と奥様は笑いながら話す。
【写真10枚】目指せ、レコードブレイカー! パンヘッド&アイアンヘッドのメンテ基地
自分でできる範囲のメンテナンスは行っていると矢野さんが話すように、ガレージ内には作業台やハンドツールが置かれているほか、以前使用していた燃料タンクやホイール、フロントフォークなどのパーツ類も並べられている。
もちろんムーンアイズのアイテムもあちこちに見られ、その愛情を感じることができる。ガレージ内へは横のエントランスホールと奥側のウォークインクローゼットにドアが設けられており、一周ぐるりと回ることができるようになっていることや、できるだけ間口を広げたことがポイントだと言う。
日々の仕事の傍ら、このガレージでボンネビル・スピードウィークに向けて色々な準備を進めている。ハーレーのためのガレージハウスを実現した今、次の目標はレコードブレイカーなのだ。
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