今年、創業者ジャン・レデレの生誕100周年を迎えるアルピーヌ、その中で最も象徴的なモデルといえば、1962年に生まれたA110だ。そんなA110は2017年に新型A110として復活し5年が経過、ほとんど外観を変えずに中身を熟成してきたが、今回エンジン、シャシー、グレード名などでマイナーチェンジを行った。A110の特徴といえば、アルミ製ボディ採用などによる徹底した軽量化、ミッドシップ・エンジンレイアウトのコンパクトなボディ、前後ダブルウィッシュボーンサスペンション採用のシャシーによる正確なハンドリングだ。A110のグレードは今まで通り3つだが、ベースグレードのピュアは、A110という名称となり、アップルカープレイ、アンドロイドオートのミラーリング機能を搭載。リネージュはA110 GTに名前を変更し、最高出力が252馬力から300馬力にアップ、A110 Sは最高出力292馬力から300馬力にアップするなど、特に上級グレードモデル、A110 GT, A110 S で走行性能が大きく向上したことから、箱根ターンパイクでの試乗会が開催された。
スポイラーなしで最高速度250km/hを達成!
ベースモデルとなる新型アルピーヌA110 は、 オリジナルアルピーヌの特質を色濃く引き継ぐグレードとなる。これまでと変わらず、 ボディを含む重量の96%がアルミ製で、車両重量は1110kgと軽量。(1110kgは名前のA110と同じなので覚えやすい)。前後重量配分を理想的な44対56とし タイヤの接地性に優れるダブルウィッシュポーンサスペンションを採用したシャシーに、 直列4気筒1.8Lターボエンジンをミッドシップレイアウトに搭載。フロントにはラジエターと燃料タンク、リアにエンジン、中央にドライバーという配置、かつ重心を低く設計することで、クルマとの一体感を強調、ドライバーは回転の中心にいる感覚でクルマとの一体感が強調される。
完璧にフラットなアンダーボディとリアディフューザーを採用することで、最大のダウンフォースを得ることが可能。セグメント内、スポイラーなしで、最高速度250km/hを達成する唯一の車両となり、その時のダウンフォースはリアディフューザーの効果で85kg、フラットアンダーボディの効果で190kgに相当する。サスペンションはセグメント唯一の前後ダブルウィッシュボーンサスペンションで荒れた路面でもなめらかな乗り心地を提供する。またラリーでも使われているダンパーインダンパーを採用。通常はモータースポーツに使用されるものだが、より良いグリップとトラクションを持つ高い技術、どんな状況でもタイヤが路面と垂直に位置させることができるのが特徴だ。
A110S専用のチューニングシャシー
シャシーは2種類で、これまでピュアとリネージュに採用されていたスタンダードシャシーと、A110S専用のチューニングとなるシャシースポールとなる。シャシースポールでは、スプリング、アンチロールバー、ショックアブソーバー、バンプストップこれらの剛性を全体的にアップしたことで、ロールレートを減少。A110Sでは10mmワイドなタイヤを装着することで、より高いグリップを獲得しているほか最低地上高を4mm下げ、高速安定性とステアリング応答性が向上。最高速度も250km/hから260km/hと10kmアップしている。
エンジンは252psの1.8Lエンジンがベースで、ブースト圧を強化し300馬力に強化したものをSとGTに搭載。この馬力に対応するために、ギアボックスも強化、時速100kmまでの到達時間は4.5秒から4.2秒に向上した。ドライビングモードの専用チューニングも行われ、ノーマルモードではよりコンフォートさを強調、スポーツモードではマルチシフトダウンとエグゾーストサウンドの最適化が行われている。
エレガントな内装でロングツーリングも快適なA110 GT
A110 GT は、 グランドツーリングを楽しむためのグレード。最高出力300psの余裕のあるエンジンパワーとアルピーヌシャシーの組み合わせは、 ロングドライブを快適に楽しむためのベストバランスをもたらす。 レザーシートや、カーボン、アルミ、レザーを使用した内装は、フレンチエレガンスを感じさせ、FOCAL 製軽量 4 スピーカー+軽量サブウーファーが奏でる上質のサウンドが、コックピットを特別な空間へと昇華させている。
【A110 GTの主な性能・装備】
メーカー希望小売価格(税込) ¥8,930,000
サーキット走行にも適したA110 S
A110S は、クローズドコースでのパフォーマンスを追求したグレードである。A110 Sに採用されるシャシースポールは、スプリングレートがフロント 47N/mm、リア 90N/mmに強化され、 ダンパーもそれに応じてチューニング。 アンチロールバーの剛性も、フロントが25N/mm、リアが15N/mm に強化され、最低地上高が4mm低められ(※数値は欧州参考値。 日本での全高の届出値は、A110と同じ1,250mm)車両の重心が最適化されている。シャシースポールの採用により、 最高出力300ps のエンジンパワーを余すことなく路面に伝えるとともに、 正確で素早いステアリングレスポンスと高速安定性を実現している。
【A110 Sの主な性能・装備】
メーカー希望小売価格(税込) ¥8,970,000
【A110の主な性能・装備】
最高出力:252ps/6,000rpm
メーカー希望小売価格(税込) ¥8,110,000
7月6日発売予定のTipo vol.385号ではA110オーナーでもあるジャーナリストの石井正道氏に今回のマイナーチェンジについてじっくりリポートしていただく予定だ。
【問い合わせ】アルピーヌ コールTEL:0800-1238-110 (受付時間 9:00~18:00、年中無休)
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