C33の佇まいは前輪位置の修正が決め手!「日産ローレル・メダリスト・クラブL」のアオシマ製プラモ【モデルカーズ】

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「趣味の良さ」を売りにした6代目

日産ローレルといえば、今ではジャンルごとなくなってしまった”ハイオーナーカー”の走りであった。ブルーバードとセドリックの間を埋める“ハイオーナーカー”としてローレルがデビューしたのは、1968年のこと。トヨタのコロナ・マークⅡに先駆けること半年であった。この初代ローレルは、技術的な面では510ブルーバードとの共通点が多かったが、先行して開発の進んでいたプリンス系のローレルからその内容を流用し、先にブルーバードが発売されたのだという。

2代目以降は、やはり旧プリンス系の車種らしくスカイラインと多くを共用することとなった。エンジンやサスペンション、またボディの骨格などを共通としながら、ホイールベースはローレルの方が長くとられているというのがこの2車の基本的なあり方である。世代によりその共通具合いに差はあるが、このC33型ローレルでもその点は従来と同様であった。

C33系、6代目ローレルが発売されたのは1989年1月。スカイラインより4ヶ月早く、もうひとつの兄弟車・初代セフィーロよりは4ヶ月遅れてのデビューである。先代までは4ドア・ハードトップとセダンの2種類が設定されていたボディ形式は、4ドア・ハードトップに一本化。そのボディスタイルはスマートになったとはいえ、マークⅡ流のハイソカー的イメージから大きく外れるものではなかったが、マセラティ風の豪華なインテリアや、イメージカラーであるダークグリーンのボディなどで“趣味の良さ”を最大のアピールポイントとし、ローレルとしては久々のスマッシュヒットとなった。

サスペンションはスカイラインと違いリアのみマルチリンクで、フロントはストラット。エンジンはRB型2LをメインにCA18やRD28もラインナップ。スポーティなトップグレードであるメダリスト クラブSは、DOHCにセラミックターボを組み合わせたRB20DET(最高出力205PS)を搭載、四輪操舵システムのHICAS-Ⅱも装備していた。1991年にはマイナーチェンジを実施、遅れて2.5Lのシリーズも加えるなどしたのち、1993年にモデルチェンジを行っている。

ホイールアーチを切り離して前にずらす
さて、ここでご覧頂いているのは、このC33ローレルのアオシマ製1/24プラモデルを制作したものだ。このキットの特徴は、R30スカイラインのシャシーを流用していること。これは同社のR32スカイラインやセフィーロと共通の構成だが、実車で比較するとローレルとセフィーロはR30よりホイールベースが55mm長い。そのため、実車でもR30と同寸のR32は別として、ローレルでは違和感がある。ボディ全長はおおむね正確なのだが、ホイールベースが短いためフロントのオーバーハングが妙に長いのである。そこでこの作例では、フロントホイールアーチを切り取り2mm前方へずらして再接着、またシャシーも延長して前輪の車軸を前に移動した。

このキットはせっかくのエンジン付きなのだが、上げ底なのが惜しいので色々と手を加えてみた。まず、エンジンルームのパーツからファイアウォールを切り離しスカットル部分のパーツと接着、この上部へ1枚プラ板を追加しつつボディに接着した。フロントウィンドウは下部を削除、追加したスカットルと合うように削り合わせる。ファイアウォール表面の凹凸は資料画像を参考に自作、ワイパーはジャンクパーツから流用。

シャシーのタイヤハウスは大きすぎるので縮小した。まずストラットの根元部分を残して上部を切り開き、さらに膨らみを前後に分けて切り取る。前後左右を入れ替え角度を変えるなどして小さく調整して再接合、プラ板とシアノンで隙間を埋めた。ラジエターウォールと左右の内壁はパーツから切り出しシャシーに接合。エンジン/ミッション部分はそっくり切り抜き、切り出したオイルパンと上げ底エンジン一体化、隙間をプラ板で塞ぐ。下部には取り付け用の真鍮線を埋め込んでいる。

キットには元々補器類がパーツやモールドでしっかりと再現されているので、作例のように配線を施すとリアルなエンジンルームになる。これ以外にも、古いキットらしくタイヤ/ホイールが前後で幅が異なっているので、作例ではジャンクから適当なものを見繕い、ホイールのパーツも加工を行って、後輪の幅を前輪と揃えている。

作例制作=畔蒜幸雄/フォト=服部佳洋 modelcars vol.258より再構成のうえ転載

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2022/02/22 09:00

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