【国内試乗】走りのクセが凄い!「アウトランダーPHEV」が目指す三菱らしさとは?

全ての画像を見る

三菱自動車工業(以下、三菱)が9年ぶりに、アウトランダーPHEVをフルモデルチェンジした。
正式発売は2021年12月16日だが、先行受注分も含めて2022年1月23日時点で累計販売台数は9291台に達し、400万円台後半から500万円台のモデルとして大ヒットだといえるだろう。
販売の傾向としては、最上級グレードの「P」が全体の76%を占める。また、フラット状態で収納が可能な3列目シートを持つ7人乗り仕様は、「P」と「G」をあわせて全体の83%と高い値となっている。

ボディカラーでは、ホワイトダイヤモンドが44%とほぼ半数で、ついでホワイトダイヤモンド/ブラックマイカの2トーンが17%、ブラックダイヤモンドが12%と続く。
生産体制としては、受注増への対応はしているものの、「半導体不足の影響はない」(三菱関係者)という。

車両スペックは、ボディ寸法が全長4710mm×全幅1860mm×全高1745㎜(Mグレードは1740mm)、ホイールベースは2705mmだ。
車体骨格となるプラットフォームは「ルノー日産とのアライアンスを採用した上で、三菱として独自の開発を合わせて進めた」という。実質的には、日産の新型「エクストレイル」(北米での「ローグ」)がベースという解釈だといえる。

パワートレインは、2.4Lガソリンエンジン「4B12 MIVEC」に対して、フロントに最大出力85kW、リアに100kWのモーターを持つ。
先代アウトランダーでは、PHEVとガソリン車の2本立てだったが、日本仕様については、先代販売実績で約75%がPHEVだったことを踏まえて、新型ではPHEV専用車とした。今後、日本でガソリン仕様の販売計画はない。

最上級グレード「P」に乗り込むと、インテリアの質感が先代モデルと比べて2段階以上アップしたようなプレミアム感が満載だ。デジタルトランスフォーメーションした先進性いっぱいの各種機能も直感的に使いやすい印象がある。シート表皮は高級家具のようなデザインだが、座り心地が良く、かつシート全体でのホールド感がしっかり出ている。
さて、新型アウトランダーPHEV最大のウリは、”どんな道も思うままに走り抜く”という目標を目指して開発してきた、S-AWCだ。ドライブモードとして、ノーマル、ECO、POWERに加えて、走行条件に応じたTARMAC、GRAVEL、SNOW、そしてMUDと合計7つものモードがドライバーの意思によって選べるのが特長だ。
先に発売されたエクリプスクロスPHEVのシステムをベースに後輪でのヨー変化制御などを加えている。いわゆる、テレインシステムは欧州車やアメ車でも様々な技術仕様があるが、そうした中で新型アウトランダー搭載のS-AWDは、各モードでのクルマの動きの変化がドライバーにとって実に分かりやすい。
今回の試乗は、千葉県内のオフロードコースと市街地で実施されたが、特にオフロード体験は圧巻だった。とにかく、”アクセルを踏んで、積極的にググっと曲がる”のだ。
これは、システムの特性というより、三菱の開発と実験の担当者が「三菱らしい、独自の走り味」に拘り、それを目標としてシステムを作り上げたという経緯から生まれた。
GRAVELとMUDも使い分けたが、半径の小さい登りカーブでの出足の違いがハッキリと分かった。一般的に、こうしたシステムでのMUDモードは、泥地でスタックしそうなシーンでの緊急脱出的な発想が強いが、三菱の考え方はラリー競技のようにガンガン攻めて走れるイメージであり、結果的に高度なパフォーマンスを実現している。

こうしたオフロード走行、そして市街地走行による総括は、無骨で重厚にも見える外観とは裏腹に”軽快なクルマ”だ。
この走り味、クセが凄い!

●Specification 三菱アウトランダー PHEV
・全長×全幅×全高:4710×1860×1745(Mグレードは1740)mm
・ホイールベース:2704mm
・車両重量:1990kg
・エンジン:2.4L 直列4気筒
・エンジン最高出力:133ps/5000rpm
・エンジン最大トルク:195Nm/4300rpm
・Fモーター最高出力:116ps
・Fモーター最大トルク:255Nm
・Rモーター最高出力:136ps
・Rモーター最大トルク:195Nm
・駆動方式:4WD
・WLTCモード燃費:16.2(Mグレードは16.6)km/L
・車両価格:4,62,100~5,320,700円(税込)

公式ページ https://www.mitsubishi-motors.co.jp/lineup/outlander_phev/

この記事を書いた人

桃田健史

専門は世界自動車産業。その周辺分野として、エネルギー、IT、高齢化問題等をカバー。日米を拠点に各国で取材活動を続ける。日本自動車ジャーナリスト協会会員。一般誌、技術専門誌、各種自動車関連媒体等への執筆。インディカー、NASCAR等、レーシングドライバーとしての経歴を活かし、テレビのレース番組の解説担当。海外モーターショーなどテレビ解説。近年の取材対象は、先進国から新興国へのパラファイムシフト、自動運転、EV等の車両電動化、情報通信のテレマティクス、そして高齢ドライバー問題や公共交通再編など。

■関連記事

桃田健史
AUTHOR
2022/02/02 18:00

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

関連中古車物件情報

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!