2021年にプロトタイプが発表され、およそ15年ぶりの復活が予定されているインテグラ。新生インテグラは北米アキュラ・ブランド専用となる見込みのようだが、本来のインテグラはもちろん日本国内にも投入されていたモデルであり、タイプRの人気などは今も記憶に新しいところだろう。
インテグラのルーツを辿ると、1980年登場のクイントという車種に行き着く。このクイントは当時のシビックとアコードの間を埋めるモデルで、ボディ形式は5ドア・ハッチバックのみという、地味な存在であった。これをモデルチェンジして生まれたのが1985年登場のクイントインテグラ――つまり初代インテグラだ。ボディスタイルは先代クイントとは打って変わって、リトラクタブルライトを採用したスタイリッシュなものとなり、ボディ形式も3ドア・ハッチバックのみ(のちに5ドア・ハッチバックと、これをベースにした4ドア・セダンも追加)、エンジンも全車DOHC16バルブと、スポーティさを全面的にアピールした。
VTECを初採用した2代目インテグラ
1989年登場の2代目インテグラでは、ついに車名からクイントが外され、ただのインテグラとなった。先代同様、ボディ形式は当初3ドア・ハッチバッククーペのみだったが、8ヶ月後に、今度は4ドア・ハードトップが追加されている。このインテグラにおいて最大のトピックと言えば、なんと言ってもあの”VTEC”が初採用されたことであろう。VTEC――給排気バルブの開閉時期とリフト量を回転数によって電子制御、ハイパワーと低燃費の両立およびドライバビリティ向上を目指したこの技術は、スポーツモデルだけにとどまらず省燃費モデルにも活用されて、以後のホンダの屋台骨を支えることとなった。インテグラに搭載されたVTEC・DOHCユニットのB16Aは、クラス初の「自然吸気エンジンによるリッター100馬力」を実現していた(最高出力160PS)。
ここでお見せしているDA5型インテグラ3ドアXSiは1/24スケールの模型だが、日頃からプラモデルに親しんでいる方はお気づきであろう、この2代目インテグラはどのメーカーからもキット化されていない。なんと3代目インテグラ(DC2型)と、4代目シビック(EF型)のボディをつなぎ合わせて制作されたものなのである!
EF型シビックとDC2型インテグラのハイブリッド作品
ベースとした3代目インテグラはフジミ製キットを使用し……と言うよりこれが唯一のキット化であり、シビックはBEEMAX製グループA仕様をチョイス……と言うよりこちらもこれしかキットは存在していない。赤いボディがインテグラ、白いボディがシビックで、どのように組み合わせたかが分かるだろう。EF型シビックは、全高/全幅/ホイールベース/側面ドア位置/サイドウィンドウの高さ/ドアノブ形状などが全てインテグラとほぼ同じだという。DC2型インテグラのリアエンドは少々低いので一旦切り離し、上方にずらして再接合。段差にはプラ板を貼って埋めている。リアバンパーの裾や、フロントバンパーのウィンカー部分はシビックから移植した。
工程の全てをご紹介する訳にもいかないので、以下大まかに述べておくと、内装はシビックのものをベースに適宜加工、シャシーもシビックのものを寸法を調整して使用している。意外なところでは、ホイールはAMT製1936年型フォード付属のカスタムパーツを加工・複製により自作したとのこと。改造のベースになるものは視野を広げれば色んなところに存在している、ということであろう。
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