メディア向けに、時折ロングドライブ試乗会を開催してくれるボルボ。今回はメディアごとにリレーしながら移動するというちょっと異色の形式での開催となった。車両は昨年11月に全モデル電動化が完了したXC90。これなら長距離移動も苦ではないはずだ。
モーターとエアサスの組み合わせは極上の乗り味
今年3月、2030年までに販売する全モデルを電気自動車にすると発表したボルボは、その布石として現行モデルの電動化を積極的に進めている。2020年8月にはSUVのパワートレインをすでにプラグインハイブリッドもしくは48Vマイルドハイブリッドとし、SUV全車の電動化が完了。その中で今回ロングドライブのお供に選ばれたのがXC90だ。
ちなみにルートは目的地を往復するという単純なものではなく、東京をスタートし、仙台〜新潟〜金沢〜長野を経由、再び東京に戻ってくる行程をメディアごとにリレーで繋ぐというやや異色のパターン。我が編集部はそのうち、仙台から新潟のルートを担当、車両はXC90の最上級モデルとなる「リチャージ・プラグインハイブリッドT8 AWDインスクリプション」を選択した。
当日の朝8時、駐車場に到着すると、そこには充電を完了したXC90の姿が。モーターのみで約40㎞の航続距離を走行できるリチャージPHEVが、どんな走りをしてくれるのかにいやがおうにも期待は膨らむ。早速荷物を積み込み、走り出すと想像以上のスムーズな乗り味にまずは驚いた。
当然ながらバッテリーは満充電のため、最初はモーターのみで動き出す。そのトルク感溢れる出だしとともに、乗り心地がとにかく快適なのだ。
これは標準装備されているエアサスペンションの効果によるものも大きいが、その感触がモーターの静けさと相まって極上ともいえる滑らかさが味わえる。それは超がつくほどラグジャリーなセダンに乗っているようで、このモーターとエアサスの組み合わせはかなりいいのでは? と思えるほどであった。
仙台から新潟へのルートは、通常であれば東北道〜磐越道が最速なのだが、さすがに高速道路ばかりではつまらないということもあり、ちょっと寄り道することに。カメラマンのナビもあり、まずは山形城址を目指した。
途中、山形自動車道では、ボルボではすっかりおなじみとなった運転支援システムのACCとパイロットアシストを試したが、制御が巧みでロングドライブでの疲労を低減してくれるのは嬉しい限り。これは高速だけでなく直線が多い一般道でも活躍してくれる。
今回のXC90T8は、バッテリーの残量がなくなるとエンジンでの走行に切り替わるが、その制御もスムーズ。遮音もしっかりしているゆえ、サウンドも気にならないレベルに抑え込まれており、十分快適だ。
その後、山形からは上山城を経由し、米沢城跡へ向かう。何やらお城を巡るドライブになってしまったが、それも旅の楽しみのひとつというもの。最終目的地は新潟ということもあり、せっかくならと日本海が一望できる海沿いのスポットでの撮影も行い、約250kmのドライブで新潟駅へと到着。今回は、改めてXC90の快適さを実感できる貴重な機会だった。
【Specification】VOLVO XC90 Recharge Plug-in hybrid T8 AWD Inscription
■全長×全幅×全高=4950×1960×1760㎜
■ホイールベース=2985㎜
■車両重量=2370㎏
■エンジン種類/排気量=直4DOHC16V+ターボ&スーパーチャージャー/1968㏄
■エンジン最高出力=318ps(233KW)/6000rpm
■エンジン最大トルク=400Nm(40.8㎏-m)/2200-5400rpm
■モーター最高出力=34kW/2500rpm( 前)、65kW/7000rpm(後)
■モーター最大トルク=160Nm/0-2500rpm(前)、240Nm/0-3000rpm(後)
■トランスミッション=8速AT
■サスペンション(F:R)=Wウイッシュボーン:マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=Vディスク:Vディスク
■タイヤサイズ=275/40R21
■車両本体価格=11,390,000円
お問い合わせ
ボルボ・カー・ジャパン 0120-55-8500
公式サイト https://www.volvocars.com/jp/v/cars/xc90-hybrid