クルマの電動化はもちろんのこと、電力網の脱炭素化にも貢献
世界初の量販電気自動車(EV)といってもいいリーフを世界で50万台以上販売し、自治体などと提携してEVの利用拡大を図ってきた日産自動車が、カーボンニュートラルに向けた新たなロードマップを発表。2050年までに事業活動を含むクルマのライフサイクル全体(原材料の採掘から使用済み車両のリサイクルまで)においてCO2排出ゼロを目指し、その第1段階として1030年代早期には主要市場の新型車をすべて電動車両とする目標を設定。加えて全固体電池など次世代バッテリーの開発にも力を注いでいく姿勢を明らかにした。
すでに日本国内ではEVのリーフだけでなく、シリーズハイブリッドである日産e-POWER搭載車の普及も進んでいる。このままいけば日本や欧州、アジアでの全車電動化は1930年代を待つまでもないだろうし、あとは北米市場のSUVやピックアップトラックの電動化を頑張れば第1目標の達成も見えてくる。
さらにその先の目標として日産は再生エネルギーを活用した分散型発電に貢献するバッテリーエコシステムの開発、電力網の脱炭素化など、クルマだけでなくインフラに関わる要素も視野に入れている。社会の脱炭素化に踏み込むとなるとハードルは低くないが、逆にいうとインフラが整わないと電動化車両の普及も実現しない。そのためには日本以外の政府や自治体との提携も欠かせないが、そのあたりをどう乗り越えていくのか。電動化に賭ける日産の手腕に期待したい。
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