【比較試乗】「ポルシェ タイカン vs アウディ eトロン・スポーツバック」最先端テクノロジーをフル投入! 新世代EVに宿るDNAを鑑定

e-tronは新時代のGTをイメージさせる

滑らかで自然な、という表現はe-tronスポーツバックにもピッタリと当てはまる。こちらはクーペとSUVのクロスオーバーというボディから察せられる通り、スポーティな風情はタイカンより控えめだが、プレミアムなSUVらしい上質感が胸を打つ。

AUDI e-tron SPORTBACK 1st EDITION/フロントとリアに1基ずつモーターが配され、ブーストモードを選べば300kWの最高出力を発揮。0→100km/hは5.7秒をマークする。

そのアウトプットは、トータルで408psと664Nm。車重は2.5トンを超えるものの、絶対的な動力性能はこちらも十二分に強力だ。だが、e-tronで際立つのはいかにもアウディらしい洗練度の高さ。EVであることを前提にしても、加速感はスムーズかつ上品。通常時は回生ブレーキを使わず、アクセルオフにした際はコースティングを積極的に活用しているが、その動きは浮遊感にも似た滑らかさだ。標準的なEVとは別の意味で、電気駆動モデルらしさが実感できる。

AUDI e-tron SPORTBACK 1st EDITION

一方、エフィシェントアシストと名付けられた機能を活用すれば、前走車に合わせて回生ブレーキが自動的に作動。その制御は上手にエンジンブレーキを使っているかのように自然で、街中の走行では重宝する。内燃機関のクルマとは別次元の静粛性ともども、このクルマの快適性はEVに相応しい新しさも実感させる出来映えだ。

AUDI e-tron SPORTBACK 1st EDITION/最新アウディの流儀に従い、e-tronの室内もタッチパネルを駆使した仕立て。クーペテイストのスポーツバックだが、室内空間はボディサイズ相応のゆとりがある。搭載するバッテリーの総電力量は95kWhで、満充電時の最大航続距離は405km。今年に入り、バッテリー容量を71kWhとした50クワトロも追加されている。

また、低重心なEVらしく操縦性もしたたかだ。足回りに特別引き締まった印象はなく、日常域ではむしろソフトな感触。しかし、コーナーでは見ためから想像される以上の安定感を発揮し、望めばスポーティにも振る舞える。日常域では上品さを印象付けつつ、速さも十二分なe-tronは、新時代のGTともいうべきキャラに仕上げられているわけだ。

AUDI e-tron SPORTBACK 1st EDITION/充電口のレイアウトはタイカンと同じ。

【Specification】PORSCHE TAYCAN TURBO S

○いかにもポルシェらしい動的資質
×大柄な4ドアとしては後席が狭い

■全長×全幅×全高=4963×1966×1378mm
■ホイールベース=2900mm
■車両重量=2295kg
■モーター最高出力=625ps(460kW)
■モーター最大トルク=1050Nm(107kg-m)
■トランスミッション=1速固定式
■サスペンション=(前)Wウイッシュボーン、(後)マルチリンク
■ブレーキ(F:R)=(前)ディスク、(後)Vディスク
■タイヤサイズ=(前)265/35ZR21、(後)305/30ZR21
■車両本体価格(税込)=24,541,000円
お問い合わせ
ポルシェジャパン 0120-846-911

【Specification】AUDI e-tron SPORTBACK 1st EDITION

○高級EVらしさを満喫できる走り
×馴れが必要なバーチャルミラー

■全長×全幅×全高=4900×1935×1615mm
■ホイールベース=2930mm
■車両重量=2560kg
■モーター最高出力=408ps(300kW)
■モーター最大トルク=664Nm(67.7kg-m)
■トランスミッション=1速固定式
■サスペンション=(前後)ウイッシュボーン
■ブレーキ=(前後)ディスク
■タイヤサイズ=(前後)265/45R21
■車両本体価格(税込)=13,460,000円

AUDI e-tron SPORTBACK 1st EDITION

AUDI e-tron SPORTBACK 1st EDITION

お問い合わせ
アウディジャパン 0120-598-106

 

フォト=小林俊樹/T.Kobayashi ルボラン2021年3月号より転載

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