ポルシェがオンライン販売の範囲を拡大

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欧州8カ国でポルシェの新車・中古車のオンライン購入が可能に。 英国でも開始予定

2019年10月にドイツ国内と米国でオンライン販売を開始したポルシェAGがそのマーケット拡大を進めている。2020年秋には中国でもウイチャット経由で同様のサービスがスタートしていたが、2020年末には欧州の8カ国(フランス、イタリア、スイス、ポーランド、スペイン、ポルトガル、スロベニア、エストニア)でもオンライン販売を開始。英国でも2021年に始める予定だ。

いち早くオンライン商談、販売を取り入れて順調な展開をみせるポルシェ。同社の信頼性や充実したサービスの賜物と言えるだろう。

ポルシェのオンライン販売は欲しい車種のチェックや注文はもちろん、宅配に至るまでオンラインで行うことができ、新型コロナウイルス感染拡大にともなって需要も増加。新車だけでなく中古車も購入でき、もちろん現地ディーラーの利益も守る形で展開している。ここにきて他のメーカーもオンライン販売へと力を入れ始めているが、顧客やディーラーからのフィードバックを得ながらノウハウを確立してきたポルシェのサービスは高い信頼度を得ているようだ。
このオンライン販売により地域の特性分析も進めており、オンライン販売の40%が新規顧客で、イタリアでは中古車が90%を占めているという。ポルシェはこうしたデータを基にオンライン販売プラットフォームのブラッシュアップおよびアップデートを図っていく考えだ。
日本でもポルシェ ジャパンがスマートグラスを使ったオンライン商談を試験的に始めており、ディーラーに足を運ばなくても細かく現車チェックができる体制を整えつつある。だがオンライン販売にたどり着くには車両登録や車庫証明のオンライン化に加え、タテ割り行政の見直しが必要となるだけに日本での実現は簡単ではなさそうだ。
世界的なウィズ・コロナの時代を迎え、クルマもオンライン販売が主流となる可能性は高く、中国や欧米ではノウハウの蓄積が進んでいる。コストもかかるだけに当初は高級車マーケットから浸透していくことになるだろうが、家などに居ながらにして商談を進められるプロセスを歓迎する人も少なくないはず。先行するポルシェのオンライン販売がお手本を示す形となっていきそうだ。

ルボラン2021年3月号より転載

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田畑修
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