【国内試乗】「フェラーリ・ローマ」ロマンチックでスパルタンな究極の2面性を持つ最新の跳ね馬

FERRARI ROMA
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2021/01/01 17:00

フェラーリのラインナップの中でとりわけエレガントなモデルが登場した。その名はローマ。同社曰く“イブニングガウンをまとったF1マシン”と称されるそのデザインとドライブフィール、快適性は、これまでのモデルとは一線を画すものだ。果たして、我々をどんな“甘い生活”に導いてくれるのか。

エレガントで美しく乗り味はフレンドリー

フェラーリの新たな2+2クーペはイタリアの都市名ローマを冠した。その意味するところは、1950〜1960年代に花開いたドルチェ・ヴィータの再現。ローマを舞台にした同名の映画の邦題が「甘い生活」とされたことからもわかるように、ドルチェ・ヴィータには人生を気ままに楽しむ自由があることを意味する。フェラーリ・ローマのコンセプトは新ドルチェ・ヴィータ(LA NUOVA DOLCE VITA)であり、イブニングガウンをまとったF1マシンとも表現されている。

FERRARI ROMA

フロントミッドに搭載されるエンジンは、最高出力620ps、最大トルク760Nmを発生する3.9L V8ツインターボで、新開発の8速DCTを組み合わせ、0→100km/h加速は3.4秒を誇る。

スタイリングはエレガントで美しい。資料には1962年のフェラーリ250GTベルリネッタ・ルッソの写真が掲載されていたが、あの頃のクラシックで洗練されたフェラーリのグランドツアラーにインスピレーションされてデザインしたのだという。スポーティネスを優先したモデルではエアベントやSダクトといったモーターレーシング由来のディテールが目をひくが、ローマはその対極で装飾的要素をそぎ落としたミニマリズムが追求されている。とくに惹かれるのがサイドのサーフェイス。キャラクターラインを使わずに滑らかで抑揚に富んだ面構成は、光の陰影でエレガンスを表現。ボディ上部からドアノブあたりまでは膨らんでいくが、前方下部ではネガティブ面、つまり凹んでいくように絞り込まれている。ここは光をあまり反射せずに陰影となり、ポジティブ面の輝きを強調。後方から見ると、フロントタイヤが直進状態にあってもトレッドが見え隠れしているのがユニークだ。

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フェラーリ最新のコクピットは、センターコンソールで運転席と助手席をを隔てるデュアルコクピットのコンセプトを進化させたデザインで、新たに8.4インチの縦型ディスプレイを採用。

シルエットは伝統的なロングノーズ・ショートデッキ。フロントエンドはシャークノーズとして長さがより強調されている。フロントグリルは、パネルに穿孔を施したようなシンプルなもので、これまたミニマルだが、新鮮なディテールなので目をひく。

FERRARI ROMA長いノーズの中に収まっているのは3.9L V型8気筒ツインターボ。ポルトフィーノと基本は同じユニットだが、ユーロ6dに合わせてGPF(ガソリン・パティキュレート・フィルター)を新採用した。一般的にはパワー&トルクは下がる傾向になってしまうが、最高出力は対ポルトフィーノで20ps増の620ps、最大トルクは760Nmと変わりないが、発生回転数を高回転側に500rpm拡大してパフォーマンスアップを実現している。

FERRARI ROMA

メーターは16インチの高解像度ディスプレイを採用。ステアリングには静電式タッチパッドとスイッチを装備するなど、物理的操作が軽減されている。センターディスプレイは、オーディオやシートなどの設定が可能。往年のシフトゲートを模したセレクターも配置されている。

その要因のひとつがターボチャージャー速度センサーを用いて緻密な制御としたことで、タービンの回転限界まできっちりと使い切り、ふたつのタービンの等速化を図った。もうひとつが新吸排気バルブリフト特性で、新しいスプリングと軽量な中空バルブの採用でバフリフト量を増大させ、燃焼速度の向上やポンピングロスの低減などを実現している。

FERRARI ROMAエキゾースト・フラップも目新しいアイテムだ。従来型のサイレンサーを廃し、フラップが排気背圧を制御することでサウンドの質を向上させるのが狙い。また、FRフェラーリとしては初の8速DCTが採用されている。

FERRARI ROMAポルトフィーノと基本構成は近似しているが、ボディシェルとシャシーは完全な新設計で約70%が新しいコンポーネントだという。サイズを比較すると全長は70mm長く、全幅は36mm広がり、全高は17mm下がった。トレッドはフロントが+19mm、リアが+44mm、車両重量は94kg軽い。ダイナミクス性能が大いに向上していることはスペックからも判断できる。

FERRARI ROMAだが、街中を走り始めてみると、スーパーなパフォーマンスを内に秘めていることなんておくびにも出さず、びっくりするほどフレンドリーでジェントルだった。発進では、なめらかにクラッチが繋がり、交通の流れにあわせて速度をあげていくと矢継ぎ早にシフトアップ。驚くことに60km/h台で8速に到達している。1000rpm以下で巡航し、そこから加速させても緩やかならばシフトダウンせずにこなしてしまう。空恐ろしいほどの低回転トルクとレスポンス。ターボラグなんてものは微塵も感じさせない。

フォト=郡 大二郎/D.Kori ルボラン2021年1月号より転載

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