ゴルフIIの現状をスピニングガレージでをチェックしてみたら……【島下泰久のヤングタイマーダイアリー】

島下泰久
AUTHOR
2020/06/04 13:00

いま巷で、密かなブームを巻き起こしているヤングタイマー。ここでは、人気モータージャーナリストの島下泰久が、ちょっと古いクルマを通して、コンディションを整えていく過程や、その道の達人と出会い語ることで、すべてのヤングタイマーを
愛するクルマ好きに向けて情報発信をしていく、というもの。前回から「2nd Season」と題して、フォルクス・ワーゲン・ゴルフII編に突入。まずは、ベース車両の状態チェックから!

※こちらの記事はル・ボラン2018年6月号に掲載されていたものを転機したものです。

○月×日スピニングガレージでまずすることは?

先月からフォルクスワーゲン・ゴルフIIを迎えての「2nd.Season」に突入したヤングタイマー・ダイアリー。前回記した通り、ゴルフII専門店として有名なスピニングガレージさんが買い取りした車両の品川二桁ナンバーを維持するため、ウチで登録したのがこの話の始まりでした。せっかく私の名義にしたんだから企画にしなくちゃもったいない。じゃあ、私の納得行くようにしっかり整備した上で、新しいオーナーに引き継ごうじゃないの、という話になったのでした。

実際にはスピニングガレージさんでは、購入が決まった後で新オーナー立ち会いのもと、車両をリフトアップして徹底的にチェックし、整備の内容を決めています。「全部おまかせ。バリッと仕上げたい」という人もいれば「予算に限りがあるから最小限で」という人もいるでしょう。そんな要望とプロの視点をすり合わせて、クルマを作り込んでいくのです。
最終型でも四半世紀が経過しているゴルフIIですから、買ってそのまま即乗れるなんて稀でしょう。感覚的には、買うと決めた時点でのゴルフIIはあくまで“ベース車”。それを整備で“自分のクルマ”に仕上げていく。そんな風に考えるのがしっくり来そうです。
そんなわけで、私のゴルフIIもリフトアップ。メカの中西さんと一緒に各部をチェックしていきました。
まずは車体のフロント側から。

「ATは少しオイルが滲んでいます。取りあえずは添加剤を入れて様子を見ましょうか」
最初から大物キター! ドキドキしちゃうなあ。セルモーターも交換。ATの場合、エギゾーストマニホールドのすぐ側にあるため、熱対策を施して取り付けます。こ
のあたりはノウハウですね。ロワアームはリア側ブッシュが痛むそうですが、このクルマは過去に交換済み。ブレーキ、ハブベアリングも問題なしですが、ドライブシャフトのブーツはヒビが入っていました。外すならば交換です。

フロント側

ATはオイルの滲みがあるものの、とりあえず添加剤などで様子を見ることに。セルモーターは遮熱対策をしたモノに交換。ブッシュは交換済みだったし、ブレーキやハブベアリングには問題なしでひと安心。

セルモーター

デフオイルシール

ドライブシャフトブーツ

フロントロワアーム

エンジンマウント

フロントブレーキ+ハブベアリング

続いてリア側。まず要チェックなのは燃料ポンプです。
「このサブ側は1990年の28週目製造と書いてあります。つまり新車から替えていませんね」
ここは定番故障ポイント。乗り出すには要交換です。リアブレーキのシューは1度交換されていました。
20万km保つ(!)というから、このままで行けそうです。ブレーキのプロポーショニングバルブ、ハブベアリングはOK。

「燃料フィルターはウチでは交換しています。走っていたクルマはいいんですが、そうじゃないとストレーナーを通過したゴミがこちらに溜まるんです」
やはり新車から付いているマフラーも要修理の状態でした。サスペンションは、どうでしょう?
「このまま行けそうですよ。バンプタッチしていませんから、重い荷物を載せたりはしていないみたいですね」

リア側

燃料ポンプ(メイン):必ずチェックするという燃料ポンプはふたつある。なんとサブ側は一度も交換していないことが発覚! サスペンションはノーマルのままで10万kmくらいまでは交換しないとのこと。予算があるならブッシュ交換をする程度とか。

燃料ポンプ(インタンク)

リアブレーキ

ベアリング

サスペンション

エンジン周辺は、基本的な整備がちゃんとされていたようです。現状、問題があるのは回らないラジエターのファンとVベルトのヒビぐらい。あとはエンジンを汚しているヘタったヘッドカバーガスケットを交換し、プラグとプラグコードをリセットがてら新品に替えようか、ぐらいの状況です。
「デスビ、オルタネーター、エアコンのコンプレッサーにウォーターポンプと、壊れそうな所はVベルト以外、大体替えてありますね。あとはエアコンの配管がダメで現状だと効かないですね」
メカニズム的には、ざっとこんなところ。項目は少なくないですが、致命的なものはなくて、まずはひと安心です。

エンジン周辺

プラグコード+ヘッドカバーガスケット:エンジン周辺は、基本的な整備がちゃんとされていたようで、交換されている部品も多かった。ただし、プラグコードは一度も交換されていなかったようなので、プラグとともにリフレッシュすることに!

プラグ

ディストリビューター

ラジエター

タイミングベルト+オルタネーター+ACコンプレッサー+ウォーターポンプ

内外装も確認して行きましょう。外装はドアガラスモールが縮んで弾力がなくなっているほかは、バンパーが白ボケしていたりエンブレムが剥げていたりという程度。前者はタイヤワックスで対処できますし、後者はいっそ交換すると見た目シャキッとしそうです。もちろんバンパーは前期型の物に戻すつもりですよ。
一方、内装は基本的には良い状態。樹脂製のヒーターフラップが砕けていましたが、これと天井が剥がれるのはこの頃のVWのお約束だそうです。現状では雨漏りはしていませんが、スピニングガレージでは全部のドア内部を必ずチェックするそう。このクルマも一度、直してありました。

内外装

天井ひびチェック:窓落ち、天井剥がれ、ヒーターフラップの穴(ウレタンが溶けて粉が飛ぶ)、はこの時代のVWの3大定番トラブルとか(笑)。何はともあれビッグパンパー仕様をノーマルのスモールバンパーに戻さなければ!

ドア雨漏りチェック

ドア内張り浮きチェック

エアコン

マーク類の曇り

ドラガラスモール

ライト

ホイール選び

駆け足で触れてきましたが、いやあ程度は悪くないクルマだと思っていましたが、やっぱり見ていくと結構やることはありそうですね。そりゃ、そうです。何しろ車齢28
年ですから!
でも、スピニングガレージのようなゴルフIIをちゃんと解っているところで直してもらえば、まだまだ活躍できるはず。こういう所と出会うことこそ、ヤングタイマー・ライフにとっては大事だよなと改めて思います。
そんなわけで次回からは、実際の整備に入ります。どんな良いゴルフIIに仕上がるのか、今から楽しみです!

取材協力:スピニングガレージ ☎042-780-8198
http://www.spinninggarage.com/

フォト=佐藤正勝/M.Sato ル・ボラン2018年6月号より転載

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!