昨年のビッグマイナーチェンジで「NISSAN」のエンブレムが復活し、“スカイラインが帰ってきた!”と安堵した信者は少なくないはずだ。しかも、トップモデルには400psオーバーの400Rがラインナップ。自らスポーツセダンと名乗るからには、その実力を確かめずにはいられない。欧州を代表する2台の猛者を携えて、勇躍オープンロードに繰り出してみた。
405psで560万円はバーゲンプライス!?
1957年の初代から数えて13代目となる現行のスカイラインが登場したのは2014年。海外ではインフィニティの基幹車種「Q50」として販売されているという背景から、日本でもインフィニティのエンブレムを背負いながらもスカイラインを名乗るかたちになったのはご存知の通りだ。当時の日産において、国内販売がいかにおざなりにされていたかが伝わってくるエピソードである。
そのスカイラインがVモーショングリルや丸く灯るテールランプなどを纏った、出自明確な日産銘柄として日本市場に打って出たのは昨年のこと。ビッグマイナーチェンジに相当するこのモデルの一番のウリは、ハイブリッドに標準装備されたプロパイロット2.0、高速道路上でのハンズオフドライブを可能にしたADASだ。
が、クルマ好きが注目したのはパフォーマンス側のトップグレードとして設定された400Rではないだろうか。搭載されるエンジンはVR30DDTT。日産にとっては最新世代の3L V6だが、400Rはタービン回転センサーを用いたブースト管理の厳密化による過給圧の大幅な向上や、水冷式インタークーラーの採用により、405ps/475Nmというハイスペックを得ている。
まず、そのパワーをFRで抑え込むという図式に心揺さぶられる大人も少なからずいらっしゃることだろう。加えていえば、標準グレードに対しては一見、黒いミラーとリアのエンブレム、そしてバネ下回りくらいしか識別点がないというあたりも、往年のスカGの羊の皮を被った〜的なイメージと重ならなくもない。そして何より、560万円余という価格は、同等のパワーを持つ同格の輸入車勢からみればバーゲンプライスだ。同等モデルがレッドスポーツ400として販売されている米国での価格をみても、日本の値付けは相当頑張ったものといえるだろう。果たしてスカイライン400Rは、比較対象たるライバルと相まみえるとどんな魅力が際立ってくるのか。
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