トヨタとNTTが資本提携

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国内ビッグネーム2社のコラボが意味するものは!? NTTはゼンリンにも出資

国内企業の2大ビッグネームであるトヨタ自動車とNTT(日本電信電話会社)が資本提携を発表。2000億円の相互出資によりトヨタがNTT株の2.07%、NTTはトヨタ株0.90%を取得し、トヨタが進めるコネクティッド・シティ構想の実現を目指していく考えだ。
トヨタは静岡県裾野市の工場跡地にあらゆるモノやサービスがつながる大規模なコネクティッド・シティを作り上げる構想を打ち出しているが(着工は2021年)、今回の提携により通信最大手のNTTも巻き込む形となる。

ご存じの通りトヨタはKDDIの大株主であり、さらにソフトバンクとも「モネ・テクノロジー」で提携しており、これで国内大手の通信企業すべてと手を結んだことになる。あらゆる交通手段を一元的につなぐモビリティ・アズ・ア・サービス(MaaS)に関して、日本の企業や政府はやや出遅れているという指摘もあるなかで、今回のトヨタとNTTの提携は日本のモビリティサービスにとってひとつのエポックとなる可能性もある。ちなみにNTTは同じタイミングで地図制作大手のゼンリンにも出資して7.32%の株を取得。地図間連の情報収集や地図制作のノウハウを共有し、モビリティサービスに欠かせない高精度3D地図などの分野にも関わっていく構えだ。
資本提携が発表された時点では、トヨタとNTTがどんな事業を立ち上げていくか具体的な提示はなかったが、世界的に勢力を拡げているIT企業群であるGAFA(グーグル・アップル・フェイスブック・アマゾン)への対抗という意味もある。日本政府がバックに控えるNTTと提携することでトヨタは通信分野における強い味方を得たことになり、オールジャパンに近い体制でスマートシティビジネス、自動運転などを有利に進めていくことができる可能性は高い。

突如として世界を覆った新型コロナウイルス蔓延と世界的な景気後退が、MaaSやCASE(コネクテッド・自動運転・シェアリング・電動化)といったモビリティの進化に水を差す恐れもあるが、そんななかで発表されたと2大ビッグネームの提携が有効な解決策を提示してくれることになるのか。そのあたりにも注目したい。

ルボラン2020年6月号より転載

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