ジャガーのEV、I-PACEで鹿児島から東京まで1,800km、桜前線を追いかけながら5日間かけて行う充電旅。2日目は由布院を出発して山口県周南市徳山駅周辺を散策後、本日の目的地である広島へと向かう。徳山駅から広島市内までは約95km。その時点でのI-PACEの航続可能距離は45kmだったので、どこかで充電をする必要がある。EV充電器の検索アプリ「EVスマート」で近くの高速充電スタンドを検索すると、「山口日産 周南久米店」がヒット。そこに向かうこととなった。
充電旅にはありがたい日産ディーラーの充電スタンド
もちろんジャガーI-PACEでも充電が可能
到着したのは18時30分。かつて横浜から長野県の白馬まで、航続可能距離100kmのコンバートEVで充電旅をしたことがあったが、そのときも、日産ディーラーの急速充電器に何度も助けられた。全国に点在する日産ディーラーは急速充電器を備え付けており、EV乗りにとっては今やマストな存在で、日産車以外でももちろん利用可能と、太っ腹! ジャガーI-PACEの充電も問題はない。
すでにあたりが暗くなりはじめた中、充電プラグをI-PACEの急速充電用ソケットに差し込む。ここの充電器とプラグハンドルの形状は、私が今までみたことのないものだ。給電前にプラグが抜けるかどうかを確認するが、いまひとつやり方がわからず、何回やってもどうもプラグを抜くことができない。ただ、ディーラーの中には明かりが灯っており、もし抜けなくなっても日産の方に聞けばわかるはずなので、そのまま充電を開始することにした。
ジャガーのチャージングカードを充電器にかざすと認証音がし、無事に充電がスタート。このとき航続可能距離は40kmで充電容量は9%、30分充電すれば約140kmに増えるはずである。充電の様子を撮影し終わると、周囲はすっかり日が暮れ、寒くなってきたため、ディーラーのショールームに行ってみることにした。
ディーラーショールームで休憩中
徳山動物園のビッグニュースが飛び込む
充電をさせていただいているのだが何時まで営業中か、と営業の方に聞いてみると「本当は18時までなんですが、まだ大丈夫ですよ」とのこと。自動販売機でお茶を購入し、フリースペースで休ませていただくことにした。TVがあり、山口のローカルTVニュースが放映されている。地元・徳山動物園の創立60周年のニュースとともに、思わず笑ってしまうトピックが紹介されていた。
かつて徳山動物園には、雌マレーグマの「レーコ」とその旦那さんの「ツヨシ」のコンビが有名だったそうで、姉さん女房のレーコがツヨシの餌を取り上げ、ツヨシが頭を抱えてしまうポーズで一斉を風靡。家庭で尻に敷かれた世の男性の悲哀と重なったのか、TVCMにも出たこともあるのだとか。2006年にレーコは他界。その後ツヨシは孫ほど年のはなれた「マーヤ」と結婚し、餌も取られることがなくなって穏やかに暮らしていたが今年3月3日に他界……と、そんなような内容であった。
充電スタンド、ホテルにグルメ検索
充電中の待ち時間はあっという間に過ぎる
このトピックがなんでそんなに面白かったかというと、私の妻の名前が「レイコ」でしかも姉さん女房だからである。さすがに我が家は妻にエサを奪われることはないが、思わず充電中にお茶を吹き出しそうになってしまったのは言うまでもない。
そのほかにも「広島で今晩は何を食べようか?」「ホテルの周辺に急速充電スタンドはあるんだろうか」などスマホでいろいろ検索しているうちに、あっという間に30分が経過してしまった。急いでいるときは別だが、急速充電の30分は意外と新しい発見をするものだ。
さて、さきほどの営業の方に充電プラグがどうにも抜けないと伝えると「じつはあのプラグ、ちょっとクセがあるんですよ。今、行きますので」とのこと。ここの急速充電器は何やら古い初期タイプということで、グリップの下に安全装置があり、その解除が必要だったのだ。無事充電を終え、本日の最終目的地、広島へ向かった。