【比較試乗】「メルセデス・ベンツ A200d vs BMW 118iプレイ vs アウディ A3 スポーツバック 30 TFSI SPORT」コンパクトハッチの覇権争いを制するのは?

A3スポーツバックを買うなら今でしょ、とすら想う

もう1台のアウディA3スポーツバックは、デビューが2012年と、今回唯一のモデル末期に近づいているクルマだ。ただ、アウディの見えない部分の熟成力には定評があって、個人的には今回もそこがマイナス要素になってるようには思えなかった。

AUDI A3 SPORTBACK 30 TFSI SPORT

今回の試乗車は30TFSIスポーツのSライン。1.4Lターボはたった122psだけど上までスムーズに吹け上がって気持ちいいし、スタート直後から200Nmのトルクが力になってくれて低中速域も得意技。Sラインのシャシーはほどよく締まった感じで荒さや粗さはなく、乗り心地も快適といえる部類なのに、曲がりっぷりもしなやかで正確でシャッキリしている。そうした実用域での心地良さ、過剰さがないのに存分に爽快なスポーティさを感じさせる走りっぷり、ゴチャつきのないシンプルなしつらえと思想、それにクルマのそこかしこから感じられる高級感というより“いいモノ”感。それらが高い次元で綺麗にバランスしているのがアウディの“らしさ”であって、もともとプレミアムコンパクトの先駆者らしく巧みに作られていたというのに、それらが熟成されて芳醇さすら感じられるほど。A3スポーツバックを買うなら今でしょ、とすら想う。

AUDI A3 SPORTBACK 30 TFSI SPORT

ここ10年ぐらいの間、自らが育んできた独自性を巧みにクルマ作りへとあらためて盛り込む自動車メーカーが増えてきた。見せかけだけのプレミアム性や単純な数値の優秀さだけで勝利したとしても、そんなものは長く続かない、ということが判ったからだろう。真のヘリテイジとは何なのか。それをマジメに考える自動車メーカーが増えてきたようで、嬉しい。
という想いなんて世の中的には小さな戯言で、そんなのとは無縁にクルマ選びをする人が圧倒多数だろう。それでいい。何せこの3台、いずれもクルマとしてかなり優秀なのだ。ブランドの好みで選んだとしても、後悔することはないだろう。このクラスは、そういうところまで来ているのである。

フォト=宮越孝政/T.Miyakoshi ル・ボラン2020年2月号より転載

■関連記事

嶋田智之
AUTHOR

関連記事

愛車の売却、なんとなく下取りにしてませんか?

複数社を比較して、最高値で売却しよう!

車を乗り換える際、今乗っている愛車はどうしていますか? 販売店に言われるがまま下取りに出してしまったらもったいないかも。 1 社だけに査定を依頼せず、複数社に査定してもらい最高値での売却を目 指しましょう。

手間は少なく!売値は高く!楽に最高値で愛車を売却しましょう!

一括査定でよくある最も嫌なものが「何社もの買取店からの一斉営業電話」。 MOTA 車買取は、この営業電話ラッシュをなくした画期的なサービスです。 最大20 社の査定額がネット上でわかるうえに、高値の3 社だけと交渉で きるので、過剰な営業電話はありません!

【無料】 MOTA車買取の査定依頼はこちら >>

注目の記事

「ル・ボランCARSMEET」 公式SNS
フォローして最新情報をゲット!