【フロントライン】「アウディQ3スポーツバック45TFSI e」フォーリングスのPHEV化が一気に加速!

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e-tronへの架け橋

ドイツ運輸省が発表した’20年の新車登録レポートによると、PHEVの販売台数は前年比3.4倍の20万台を超え、シェアも6.9%へと拡大。やはり内燃機関と電池の組み合わせは、航続距離や充電インフラのことを考えると、現状ではカスタマーにとって最適な選択なのかも知れない。

Q3スポーツバック45TFSI eのシステム最高出力は245ps、最大トルクは400Nm。電気モーターは85kWで、最大航続距離は61kmとなる。

そうした状況下で、アウディは新しいPHEVシステムを搭載した3台のモデルを発表、今回試乗する機会を得た。いずれも新開発となる高性能リチウムイオン電池を採用した日常性が高いハイブリッドシステムを搭載し、快適な充電と長い航続距離を実現している。内訳はA3スポーツバックTFSIe、Q3 TFSIeとQ3スポーツバックTFSIe、Q8TFSIeで、システム出力は204psから462psまでと幅広い。

新開発のリチウムイオン電池はプリズマタイプで後席下に搭載。そのドライバビリティは安定感だけでなくスポーティさすら感じるほど。

エクステリアはアルファベットの「E」形状をしたターニングライトが特徴的。EV航続距離は欧州複合モードでA3が74km、Q3が61km、Q8が59kmと発表される現実的な数字はやや差し引いて考えなければならないだろうが、ドイツ交通局は一般ドライバーの95%は1日の走行距離が50km以下、99%は100km以下という数字を発表しており、今回の各PHEVモデルは大半の条件をカバーできていることになる。
また、アウディのリサーチによると、PHEVの一般カスタマーは1日2回、自宅と勤務先で充電を行っているという。前者は5時間、後者は工業用電源を使用するので4時間程度でフル充電が可能。遠出をした際も、欧州内26カ国にある15万5000カ所のAC充電ポイントが利用可能だ。

ドライバー正面のバーチャルコクピットで、EVモードとその最大航続距離が読み取れる。充電状況はスマホのアプリでも確認可能。

ドライバビリティはアウディらしい乗り心地重視で、ハイブリッドモードでのブースト加速や最大0.3gまでのブレーキ減速も含め、メリハリのあるスポーティなフィーリングすら楽しめる。便利なのは車載のPHEVドライブロジック「e-tronドライブモード」。たとえばオートハイブリッドモードでは常にEV走行可能距離と最大航続距離が見やすく読み取れ、バッテリーホールド&チャージでは目的地でのEV走行を計算した走りをすることができる。

今回、一気に4モデルのPHEV化を発表したアウディ。BEVのe-tronの市販化と並行して、既存モデルのPHEV化も加速しそうな勢いだ。

今後、同じ勢いで販売台数を伸ばしているBEVと市場でどのような棲み分けになるかだが、現時点で内燃機関の廃止を決めている地域や国々でもPHEVは例外とされていることから、さらに増加傾向となるのは間違いない。

リポート:キムラ・オフィス ルボラン2021年3月号より転載

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