BMW初のコンパクトSUVとして誕生したX1は、日本上陸直後からスマッシュヒットを記録。そして2代目はFFベースとしながらも走りと機能を着実にブラッシュアップした。そんなX1はマイナーチェンジで外観がリフレッシュされて、SUVとしての魅力度も高められていた。

マイナーチェンジでいま求められる装備が充実

X1は、BMWのSUVではヒット作となり2018年には28万7000台を販売した。さらに、今回のマイナーチェンジにより販売に勢いがつきそう。大きなフロントグリルを備える新世代のBMWデザインにより、車格感が1段階以上増したからだ。周囲に他車が存在しないと、パッと見ではX3どころかX5と間違えても不思議ではないほどである。

新型には、運転支援機能として車線逸脱警告システムや前車接近警告機能、衝突回避・被害軽減ブレーキを含むBMWドライビング・アシストを標準装備。

インテリアは、デザインの変更こそないがモニターが10.25インチに大型化されタッチスクリーン式を採用する。メーターはアナログのままとなるものの、文字盤に対して目盛りがベゼルのように独立し、指針も浮かび上がるデザインを取り入れ立体感があり品質感の物足りなさはない。ソフトな素材が用いられている箇所にはステッチが入るだけに、クラスでは最高レベルの質感が表現される。

試乗車のsDrive18iは、1.5Lの直列3気筒ターボエンジンを搭載する。最高出力は140psと控えめだが、最大トルクは220Nmに達する。自然吸気式エンジンなら2Lクラスの数値となるため、市街地走行などの日常的な場面なら力強さに対する満足度が高い。ただ、アクセルを少し踏むだけで余裕がみなぎるわけではない。必要に応じてそれなりに踏み足す機会は少なくないが、デュアルクラッチ式7速DCTは速やかにシフトダウンしエンジン回転数が上乗せされ加速に移る。

センターモニターの大型化を除きインテリアのデザインは従来型と変わらないが、ソフトな素材が用いられステッチも入るのでフルレザーで覆われているような上質感がある。試乗車はオプションのウッドトリムを採用しリアルな木目が表現されダコタ・レザー・シートも装備する。

さらに、走行モードがスポーツならアクセル操作に対するエンジンの応答性が向上。山岳路で中回転域を保つ場面では、アクセルを大ざっぱに踏むとトルクの立ち上がりの大きさに驚くことも。そのままアクセルを踏み続けると、エンジンは軽快に吹け上がり最高出力を発揮する4600rpmを超えてもパワーの頭打ち感がない。6500rpmまでは伸びやかに加速し、Dレンジのままでも6700rpmでシフトアップされる。

エンジン音は、アイドリング中こそ外で聞くとポコポコという上質とはいえないノイズがテールパイプから発せられる。だが、走行中は耳に届かず高回転域になると心地よいサウンドが聞こえる。刺激こそないが、身構えずにアクセルを踏み込めるだけにエンジンの性能を使い切る楽しさがある。

さらに、スポーツならステアリングの手応えも少しだけ重めになる。切れ味はスムーズなままであり、与える舵角に対して正確に向きが変わる。