電子デバイスの熟成はハードウェアの進化が必至
世界一安全な乗り物と言われる飛行機だが、2機のボーイング737-MAX8が立て続けに墜落した。すでに同型機は飛行禁止となったが、ハードウェアの性能不足をソフトウェアで補おうと、付け焼き刃的な対策が原因だったと言われている。
同じような事例が自動運転車で起きないとも限らない。ハイテクに対するソフトウェアとハードウェアの関係をしっかりと見直す必要があると、あらためて考えさせられた。
今回はそんな目線込みで2台を分析してみたいと思うが、まずアウディA7で気になったのは、パワートレインと車体を繋ぐマウント系の剛性が不足しているのではないかと点だ。というのは急ブレーキを踏むと、エンジンとギアボックスが振動。ジャダーが発生した。さらに270kPaという高い空気圧も影響してか、荒れた路面の乗り心地は改善の余地あり、である。しかし、フラットな路面では安定性が高く、良好なハンドリングを示した。
アウディのパワートレイン戦略の特徴は、デュアルクラッチ(DCT)を積極的に採用することだ。ライバルのメルセデスやBMWはほとんどがトルコンATである。DCTはポルシェを含めたフォルクスワーゲン・グループの基本戦略だが、A7では発進時に一瞬だが、ギクシャク感が出る。同じようなトルクを発生するポルシェのPDKは完成度が高く、それはソフトウェアの問題かもしれない。もっと走り込んでリファインして欲しいところだ。その反面、ウェットの旋回ブレーキは見事だった。低μ路で安心できるタイヤと洗練されたABSの制御が功を奏している。このテストではハードウェアとソフトウェアの両方が良い仕事をし、優れた結果をもたらした。
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