【国内試乗】「ポルシェ・マカン」911ルックにイメージチェンジ!

デビューから5年経つがいまだに走りも装備も一級品

日本にまず導入されるのは直列4気筒2Lターボのマカンと、V型6気筒3LターボのマカンS。今回はマカンに試乗した。
リファインされたエンジンは最高出力が245ps、最大トルクが370Nm。欧州車ではポピュラーな2Lターボだが、マカンのそれは低回転域でのレスポンスがいいうえに高回転まで伸びやかに回るのが特徴だ。PDKもドライバーの望みを右足の動きから巧みにくみ取って、見事なドライバビリティをみせる。絶対的なパワーはさほどでもないとはいえ、アクセルを深く踏み込んでいったときの加速感は十分にスポーティ。公道ではむしろハイパフォーマンスモデルよりもストレスなく踏み抜ける感覚が素敵だ。

エントリーモデルのマカンには最高出力245ps、最大トルク370Nmを発生する2L直4ターボユニットを搭載。0→100km/h加速は6.7秒、最高速度225km/hをマークしつつ、ガソリン微粒子フィルターの装着により、Euro 6d-TEMPの排出基準を満たすなど、環境性能もハイレベルだ。

記憶にあるマカンに比べると、ステアリングフィールはより繊細かつ正確なものとなった。マカンは911を意識してフロントは細く、リアは太いタイヤを履かせて、良好なステアリングフィールと強大なトラクションを走りのキャラクターとしているが、それに磨きがかかったのだ。高速直進時の微細な修正舵からして正確性の高さがうかがい知れるが、コーナーへ進入していくときのフロントタイヤのコンタクト状況のわかりやすさもさすが。スッとノーズがインへ引き込まれると同時に、想像以上に高い横Gを発生しながら理想のラインへ乗せていける。SUVとしては、これほどハンドリングが自在なモデルも珍しい。

ラゲッジスペースは標準状態で500L、40:20:40の分割可倒式後席を倒せば、最大で1550Lまで拡大可能。

シャシーではフロントアクスルのスプリングフォークをスチールからアルミニウムに換装したことで剛性アップとバネ下重量軽減を果たし、ファインチューニングも受けているが、その分サスペンションの動きがスムーズになったよう感じられる。スポーティさは相変わらずだが、乗り味に上質さが加わったのだ。
デビューから5年が経つマカンだが、アップデートによって走りも装備もいまだ一級品。ベーシックグレードでもそれを濃厚に味わうことができるのだ。

ホイールは18インチが標準。試乗車にはオプションの19インチホイールに、ミシュラン・ラティチュード・パイロット3が装着されていた。

フォト=柏田芳敬/Y.Kashiwada ル・ボラン2019年9月号より転載

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