ウェット旋回性能はスズキ・スイフト、ルノー・トゥインゴGT共に秀逸!【清水和夫のDST】#90-3/4

駆動方式は違うもののウェットでの旋回性能はともに秀逸

RENAULT TWINGO GT
●制動距離:52m(★★★☆☆)

100km/hでフルブレーキ、同時にステアリングを切り込む。リアヘビーなコンパクトカーゆえに、どんな挙動を示すのか予測できない部分はあったものの、実際に走ってみると想像以上に安定していた。フロントが軽いため、ステアリング特性はリニアだ。初期制動からブレーキはよく効き、フルブレーキング時に前後重量配分が最適化されると、リアタイヤはしっかりと踏ん張り、頼もしいばかりのストッピングパワーを発揮する。タイヤの山は残っていたが、フロントの荷重が抜け出すとハイドロプレーニング現象が発生した。それでもコンパクトスポーツのなかで、突出した性能を持っていることは間違いない。

SUZUKI SWIFT SPORT
●制動距離:57.5m(★★★★☆)

リアエンジンのトゥインゴが圧勝するだろうと思っていたが、スイフトスポーツの旋回制動も負けてない。データ的にはトゥインゴGTより10%ほど停止距離が伸びてしまったのだが、それは5〜6分山だったタイヤの影響だ。それでもウェットグリップは期待以上だった。旋回路に進入した瞬間は、フロントタイヤがハイドロプレーンになり、舵は効かなかったが、速度が低下するとタイヤのグリップはすぐに回復し、ステアリングの正確性が戻ってきた。挙動が安定していたのは、リアサスペンションがしっかり粘ってくれるからだろう。日本のコンパクトスポーツの性能がこのレベルまで到達しているとは嬉しい限りだ。

 

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2018年7月号より転載

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