【国内試乗】「BMW X2 M35i」X2にMパフォーマンス仕様が追加!

クールに速いパワーユニットと出自を明確に主張するシャシー

搭載エンジンは、FFプラットフォームのBMWで最強スペックとなる2L4気筒ガソリンのツインターボ。

だが、M35iの真骨頂はやはり前述のエンジンだ。ベースモデルの2Lがツインスクロールのシングルターボなのに対し、こちらはツインターボを組み合わせてパワー&トルクは306psと450Nm。それがコンパクトなSUVボディに載っているのだから動力性能は推して知るべし。いまどきのターボユニットなのでハイチューンといっても日常域ではパワフルというよりトルクフルな印象が先に立つが、いざアクセルを踏み込めばメーター読みで6800rpmのリミットまで一気に吹け上がる。その過程では回転上昇に合わせてリニアに力強さが増していくので、シャープではあっても特別吹け上がりにドラマ性があるわけではないのだが現実のスピードの上がり方は尋常ではない。この“クールに”速い感覚は、いかにも最新の高性能ターボ車らしい。

 

ブラック・パネル・テクノロジーを採用したメーターやアルミヘキサゴンのトリム類はベースモデルと同じ。ただしヘッドアップディスプレイや運転支援システムなど、ベースモデルでオプションとなる装備はひと通り標準化される。

その速さを受け止めるシャシーは、専用セッティングが施されたサスペンションやMパフォーマンスモデルでは初というLSD、強化タイプのブレーキで武装するのだが、こちらはエンジン以上にスポーツモデルらしさがわかりやすい。以前、試乗したノーマルX2はX1を凌ぐ安定感が印象的だったが、こちらは回頭性を筆頭として身のこなしが格段にシャープ。フロントを軸としてリアを連れ回すように向きを変える動きは、少し古典的なFFスポーツのようでもあり操り甲斐はシリーズの中でも屈指。その意味でM35iはSACの「C」の部分が一番濃密な1台といえるかもしれない。

標準のシート表皮はマイクロ・ヘキサゴン・クロスとアルカンタラのコンビで、写真のパーフォレーテッド・ダコタレザーはオプション。SACとはいえ実用性が高い点はX2の魅力だが、当然それはM35iでも同じ。

荷室容量は470-1355Lが確保、床下には大きなサブトランクも備わる。

リポート|小野泰治|T.Ono フォト|菊池貴之|T.Kikuchi BMW COMPLETE 2019 VOL.71 より

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