ボルボV40のウェット旋回ブレーキは期待外れ!? プジョー308はウェットで優れたグリップ力を発揮【清水和夫のDST】#79-3/4

両車とも本来の実力を出し切れなかったが308は善戦したといえるだろう

VOLVO V40 D4 INSCRIPTION
●制動距離:66.8m(★★★)

V40のウェット旋回ブレーキは期待外れだった。タイヤはミシュランのプライマシー3を履くが、低い転がり抵抗を意識したタイヤなので、ウェット路面のグリップ力は物足りなく、その影響がモロに出てしまった。ドライの直線ブレーキではプジョーと同等の結果だったが、ウェット&旋回という条件を与えると、ドライバーの意思通りにクルマが動かない。プライマシー3の残溝はプジョーよりも残っているが、ウェットに入った瞬間の接地感が甘くなる。結果的に曲がりにくく止まりにくかった。2回目はステアリングを先行させたが、結果は1回目と同じ。ABSのロバスト性はプジョーよりも良かった。

 

PEUGEOT 308GT BLUE HDi
●制動距離:54.0m(★★★☆)

308のウェット旋回ブレーキはタイヤの残り溝が6mm程度だったので少し心配していたが、ウェットでもラインをトレースしてしっかりと止まることができた。2回目は少しステアリングを先行してからフルブレーキング。ABSは若干低ミュー判定(路面が雪のように滑ると誤判定)してしまい、リアのブレーキの液圧が減圧され、結果的に制動距離は延びてしまった。速度が低下しにくいので、40Rの旋回ではアンダーステア気味になってしまった。タイヤの減りを考慮すると合格点を与えることができるが、往年のプジョーのダイナミクスを思い出すと、ABSの制御がすこし粗いかもしれない。

 

 

 

 

清水和夫/K.Shimizu フォト:篠原晃一/K.Shinohara ル・ボラン 2017年4月号より転載

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