【海外試乗】「フォルクスワーゲン Tクロス」カジュアルポップなコンパクトSUV

ポロのユーザーもきっと気になる一台

ラゲッジルームの広さもトピックで、容量は通常時で385-455L。14cmのスライド機構を備えるリアシートをフルフラットにすれば、最大1281Lのスペースを作り出すことができる。駆動方式は都会派SUVゆえFFのみの設定だ。

走り出すとやはり、115psだけに日本仕様の95psのポロよりもゆとりを感じる。加速は気持ちよく力強さも感じるし、低速でもドライバビリティが高い。さらに乗り心地に関しても、サスペンションは前ストラット/後トーションビームという通常のメカサスだが、車高が上がりサスペンションストロークが増したためか、路面からの入力はしっかりといなされ、上質な乗り味を感じとることができた。試乗車は18インチタイヤを履きながらも、乗り心地はポロより良いといえるものだった。
また装備類もポロよりリッチになっており、例えばドライバーアシスタンスはポロの装備にプラスして、レーンキープアシストやハイビームアシストも備わる。さらに4つのUSBポートとワイヤレス充電を備えるなど、イマドキのガジェットとの相性も良好だ。

8インチの「アクティブ・インフォ・ディスプレイ」を装備し、デジタルメーターにはナビ画面の表示が可能。

使い勝手ではリアシートが最大14cmスライド可能なため、ラゲッジスペース容量も385-455Lと増減して使えるほか、60:40の分割可倒式シートを畳むと1281Lまで拡大。また後席は身長168cmの僕がドラポジを決めると、前席背もたれまで拳3つの余裕があり、頭上空間も十分なゆとりがあった。
こんな具合でTクロスは、見た目良し、品質良し、走りも良しで、使い勝手も抜群。売れる要素は満載だ。唯一の欠点は加速時に3気筒の音が煩いことくらい。
今年中の日本導入が予定され、価格は300万円を切るという噂もある。これが実現したら、ひしめくライバルはおろか、ポロを買いに来たユーザーも目を向けそうな予感がする一台だ。

センターコンソールにはスマートフォン用のワイヤレス充電用パッドやUSBポートが4系統搭載される。

リポート:河口まなぶ/M.Kawaguchi フォト:フォルクスワーゲン・グループ・ジャパン ル・ボラン2019年5月号より転載

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