ジャガーXEのパフォーマンスに驚愕!アウディA4を凌駕したチューニングの精密さに軍配【清水和夫のDST】#73-3/4

XEパフォーマンスには驚かされた。チューニングの精密さに軍配

JAGER XE 20d PURE
●制動距離:35.5m(★★★★)

A4とは異なり、ウェットでもタイヤの接地感が高く好印象だったXEは、テストデータでも期待できそうだった。FRということと、前後重量配分の最適化などで旋回性能はA4よりもXEに分がある。直線ブレーキではA4よりも効きが少し悪かったが、反対にウェット旋回ブレーキでは驚くほどのパフォーマンスを示した。制動距離はA4よりも20%も短く止まり、ライントレースはクルマ2台分もイン側をトレースできた。その差があまりにも大きかったので、実は両車とも再テストしたくらいだった。2回目のテストではステアリング操作を先行させるが、ABSはそれに騙されることもなくデータはバラつかない。基本性能とABSの電子デバイスの緻密さが光っていた。

AUDI A4 2.0 TFSI
●制動距離:51.0m(★★☆)

A4のブレーキは強く踏み込んだ瞬間のビルドアップ特性制御が高く初期の効きは鋭い。制動力こそ問題はないが、ステアリングの正確性には不満が残った。水深2-3mm前後のウェット路面は、ハイドロプレーンが生じるほどではないが、フロントタイヤの横力が得られにくい。理由としては、テスト車のA4がFFであったのと、フロントタイヤがリアタイヤよりも摩耗しやすいことに起因しているかもしれない。2回目のテストでステアリングをやや先行させるとABSが早利きしてしまい、制動力は約20%減少。そのため、1回目と2回目のテスト結果のバラツキが大きく、走行ラインも基準線からかなり離れてしまった。ABSのロバスト性のファインチューニングが必要だろう。

 

リポート:清水和夫 フォト:篠原晃一 ル・ボラン 2016年10月号より転載

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