ユーロNCAPがサポート。ヒュンダイ・イオニックとBMWi3が5つ星を獲得
欧州で新型車の環境性能を評価する「グリーンNCAP(ニューカーアセスメント・プログラム)」が初の評価結果を公表。グリーンNCAPは欧州各国の運輸関連庁、ドイツADACなどの自動車ユーザー団体、FIA、消費者団体、大学などで構成されるコンソーシアム(共同事業体)で、安全性能を評価してきたユーロNCAPがサポートしている。各国の環境に関する法規制を上回る厳しいテストによってクルマの環境性能を評価する姿勢はユーロNCAPと同じで、消費者優先の考え方を貫いている。
その手法は、まず対象車の排気ガス中のHC(炭化水素)、CO(一酸化炭素)、NOx(窒素酸化物)、PM(粒状性物質=黒煙)の濃度をベンチ上と路上走行で測定し、気候など外的環境による変化も加味して10点満点で評価。さらに温室効果ガスであるCO2排出量も同じく10点満点で評価して総合評価を導き出す手法をとっており、総合評価を星の数(最高評価は5つ星)で示すところはユーロNCAPなどと変わらない。また、現時点では走行時の環境性能である「タンクtoホイール」での測定および評価としているが、近い将来には車両生産に要するエネルギーや中間排出物、そのクルマの廃車までの部品廃棄の影響やエネルギー消費量などの要素も加味していく考えで、かなり複雑な測定およびシミュレーションが必要となってきそうだ。
今回の評価結果は別表の通りだが、電気自動車(EV)が最高評価の5つ星を得るのは当然のことながら、フォルクスワーゲンUp!のGTIが4つ星、BMW X1の18dが3つ星を得るなどスポーティ仕様やディーゼル車が意外と健闘している。一方でスバル・アウトバックやボルボXC40はCO2排出量(燃費)で評価が低く、古い排ガス規制(ユーロ6b)にしか対応していないフィアット・パンダ・ツインエア、フォルクスワーゲン・ゴルフTDIは燃費ではそこそこの評価ながらパンダは排ガスのPM排出量が多く、ゴルフTDIもNOx濃度が高いため一つも星が得られていない。
日本とは排ガス規制値が違っていたり、排ガス対策が異なる場合もあるので、この結果がそのまま当てはまるわけではないが、おおよそのクリーン度の判断には役立つだろう。また、欧州でも増えつつあるハイブリッド車が今後どう評価されることになるのか、そのあたりも気になるところだ。
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