昨今の燃費性能重視のタイヤは
ウェット旋回に課題を残す結果となった
SUBARU IMPREZA 2.0 i-S EyeSight
●制動距離:53.5m(★★★)
過去数年にわたってスバルのウェット性能は業界でもトップクラスの性能だったが、最近になって良くない結果が出ている。今回ウェット旋回ブレーキでテストしたインプレッサが履くスポーツ系18インチタイヤもまさにそうで、舵が効きにくかった。それでもなんとか制動距離は短く止まれたが、ラインは大きく膨らんでしまった。旋回ウェット路に進入してステアリングを切った瞬間にハイドロプレーンが発生し、フロントタイヤが外に逃げてしまうのだ。全体的に4輪ドリフトアウト気味に膨らんだ。ついにスバルまでもがウェット性能を捨ててまで、燃費を重視するメーカーになってしまったのだろうか。
TOYOTA C-HR S-T
●制動距離:53.0m(★★★★)
タイヤ的にいえば、トヨタC-HRが履くミシュラン・プライマシー3のウェット性能は非常に優れていた。特にハイドロプレーンが発生しにくい。背の高いSUVなのに、背の低いクルマに勝ってしまった。1回目の停止距離は49mとぶっちぎりのトップだったが、2回目にステアリング操作をやや先行させてテストすると、ABSが低ミュー路だと誤判定しやすく、特にリアの制動力が弱まるので、全体的に制動距離は15%くらい延びてしまった。もし、ABSがスバルのレベルなら、C-HRは完璧なウェット旋回性能を見せたはずだ。最近の欧州車のウェット性能も低下し始めているので、ますますウェットテストは重要になるだろう。
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