ミニとゴルフが熾烈な首位争い
輸入車インポーターの団体である日本自動車輸入組合(JAIA)が2018年上半期(1~6月)の輸入車ランキングを発表。日本メーカー車を除く輸入車マーケットは、この上半期は前年同期比0.5%増の15万1803台とほぼ横ばいで、乗用車に限っても同じく0.5%増と落ち着いている。2017年は輸入乗用車だけでも30万台超えと好調だったが、今年もこのペースが保たれれば12カ月通年で同レベルのセースルが望めそうだ。
車名別ランキングでは2016年にBMWミニがそれまでの常勝フォルクスワーゲン(VW)ゴルフを抜いて以来、ミニ優位が続いている。半期ごとの集計でも2016年下半期からミニが首位を保ち、ゴルフがマイナーチェンジでテコ入れをしたが届かない状況だ。ちなみに2018年第1四半期(1~3月)の短期集計ではゴルフがミニを17台だけ上回って逆転しており、もしかしたら半期でもゴルフが首位奪還か、とも思われたが、次の3カ月(4~6月)でゴルフが台数を伸ばせず、ミニの首位奪還を許した形となった。
ミニの好調はバリエーションの増加が大きく貢献しており、特にクロスオーバー人気とディーゼル人気が販売増を後押ししている。バリエーション数ではゴルフも負けてはいないが、ゴルフという車種自体が国内で行き渡った感が強く、今はミニに追い風が吹いている感じだ。個性が強めのミニも増え過ぎると頭打ちとなる恐れもあるが、絶妙なタイミングのマイナーチェンジにより、リニューアル感を保っている。
別表を見てもわかる通りミニとゴルフの差は647台と、1000台以上だった2017年上半期より差は縮まっているが、今年後半はマイナーチェンジ効果で再びミニが台数を伸ばしてくるはずで、ゴルフの首位奪還は8代目ゴルフの登場(来年!?)までお預けとなる可能性も高い。
興味をそそられるのは上位2車だけではない。3位のメルセデス・ベンツCクラスはしっかり台数を伸ばし、EクラスとともにVWポロを上回る台数を売っている。下半期はデリバリーが安定するポロが大きく伸びてくるはずだが、ブランド別首位の座を保つメルセデスをC/Eクラスが支えていく構図は続きそうだ。
コンパクトクラスでは、ボルボ40シリーズがXC40の追加などで台数を上乗せして前年同期の12位から7位へとジャンプアップ。一方でBMW X1は順位を上げながらも台数が減り、アウディA3やBMW2シリーズ、1シリーズなどは台数を減らしてランクダウンしている。ちなみにA3と1シリーズは全く同じ台数で10位タイと、これも珍しいことだ。
メルセデス・ベンツGLCはSUVブームの後押しで着実に台数を伸ばしており、ボルボ60シリーズもディーゼル車のデリバリーが始まったXC60の好調に押されてランクアップ。今年後半も上り調子を保つのか注目したいところ。
また、下位ながらアウディQ2とジープ・ラングラーがランクインしてきたところも興味深い。Q2は今年になってデリバリーが軌道に乗り、ラングラーは新型の日本上陸前ながらVWパサートをわずかに上回ってランクイン。長い間ベスト20の常連だったフィアット500がとうとう20位以下に退いてしまったのは残念だが、アメリカ車のランクインはここ10年間ではなかったこと。果たしてランキング常連となってくるのか、今後の展開が楽しみだ。
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