見れば見るほど「4ドアの911」
そんな新型パナメーラの国際試乗会は、ミュンヘン空港の特設会場をベースに行なわれた。空港を行き来する世界中の人たちにアピールする狙いもあるのだろう、ターミナル間にある広いオープンスペースには20台近い新型パナメーラがズラリ。実はこの1カ月前にも技術ワークショップに参加していたから初見ではないのだが、改めてそのカッコよさに見とれてしまう。特にリアの眺め。スポーツカーの911によく似た、緩やかに下降するルーフラインにリアフェンダーのセクシーな膨らみ。先代は後席の居住性に配慮するあまりルーフ部分が後方に長く、テールゲートが急角度で落ち込んでいたからあまりスポーティには見えなかったのだが、新型は違う。リアコンビネーションランプやガーニッシュのデザインも911に近いイメージになった。これなら911乗りが必要性に駆られて4ドアのパナメーラに乗り替えたとしても、さほど違和感を覚えずに済むのではないだろうか。
あまりにもスタイリッシュになったので「ずいぶん大きくなったな」と感じるかもしれないが、実際は全長5049mm(+34mm)、全幅1937mm(+6mm)、全高1423mm(+5mm)だからサイズは先代とほぼ同じ。ホイールベースが30mm伸びていることもより伸びやかに見せるのだろう。プラットフォームがこれまたまったく新しい「MSB」になったことで、より自然なプロポーションが実現できたという一面もありそうだ。ちなみにMSBとはドイツ語で「Modularer Standardantriebs-Baukasten」、意訳するなら「スタンダード駆動(後輪駆動と4WD)向けモジュラー化コンポーネント」ということになるだろうか。なお、このプラットフォームは新型パナメーラだけではなく、今後は同じグループに属するベントレー・コンチネンタルGT系モデルにも使われることになるようだ。もちろん軽量化には熱心に取り組まれており、新型パナメーラのホワイトボディは重量比で38%がアルミニウム製に。結果として先代に比べ70kgのダイエットに成功しているそうだ。
試乗は日本に導入される2モデル、特にパナメーラ・ターボを中心に行なった。生まれ故郷のドイツで開かれる試乗会だけに、速度無制限のアウトバーンで思う存分に試すことができたのだ。【後編に続く】
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http://www.porsche.com/japan/jp
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