260km/hでもリフト知らず
ハンドリングは大きく重いV8ツインターボエンジンをフロントに積むのにクセというものがまったくなく、切れば切っただけ曲がっていく印象。追い込んでも旋回軌跡をダラダラと膨らませるようなことはほとんどない。しかもボディの開口部が小さい2ドアゆえにセダンやワゴンよりも剛性感が高く、後半にあるタイトかつテクニカルなコーナーが連続するような場面では、ハンドリングがより引き締まっているように感じられた。繊細なステアリングワークやアクセル&ブレーキの操作に、クルマがより緻密に、正確に、瞬間的に応えてくれるような印象なのだ。
そして最終コーナーを立ち上がり、メインストレートでアクセルをフラットアウト! まるでスピードメーターの針がタコメーターの針と同期しているかのようにスピードが乗ってゆき、あっという間にデジタルメーターは260km/hを表示。そんな時でも「あれ、リミッター付いてないの……?」なんてことを考えてしまうほどクルマはビタリと路面に貼り付いてリフトする気配すらみせず、ドライバーに不安な感情を抱かせない。プレス資料には空力についての言及はほとんどなかったが、控えめなエアロパーツが吟味に吟味を重ねてデザインされていることは間違いなさそうだ。
その後はAMGダイナミックセレクトを「S+」「レース」などに変えてあれこれ試しつつサーキット走行を楽しんだが、都度エキゾーストサウンドやドリフトアングルの許容度が変化するので「このクルマ、もしオーナーになったらきっと攻略し甲斐があるだろうなぁ……」なんてつい考えてしまった。
それでいて心ゆくまでサーキット走行を楽しんだら、帰路はアダプティブクルーズコントロールの「ディストロニック」をオンにして、半自動運転に切り替えて家路につくことさえできるのだ。これぞ究極のスポーツカー。そう言わずして、果たしてなんと言えばいいのだろうか?
メルセデスAMG C63 Sクーペ
東京標準現金価格 ¥13,580,000
全長/全幅/全高 4750/1877/1400㎜
ホイールベース 2840㎜
車両重量 -㎏
エンジン型式/種類 M177/V8DOHC32V+ツインターボ
総排気量 3982㏄
最高出力 510ps(375kW)/5500-6250rpm
最大トルク 700Nm(71.4㎏-m)/1750-4500rpm
トランスミッション 7速AT
燃費(JC08) –㎞/L
サスペンション形式 前:4リンク/コイル
後:マルチリンク/コイル
ブレーキ ベンチレーテッドディスク
タイヤ 前:255/35R19 後:285/30R19
問い合わせ先 メルセデス・ベンツ日本 http://www.mercedes-benz.co.jp
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